11部分:第十一章
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わすのを待った。
「どの様なものが出ますかな」
二人は居間で話wそひながら待っていた。上田が彼に問うてきた。
「わかりませんな。何しろ色々出て来ておりますので」
「確かに。お話を聞くと実に多く出ていますな。こんなのは拙者もはじめて聞きました」
「やはり」
平太郎自身も薄々そう思っていた。これ程までに様々なことが起こり、化け物達が入れ替わり立ち代わり出て来ているのだ。
こんなことは書でも読んだことがない。彼はそれをよくよく考えてみた。
「一つのものでしょうか」
「違うでしょうな」
上田はきっぱりとそう言い切った。
「それにしては種類も数も多過ぎます。一つのものならばいささかそれぞれの趣きがあるのですがどうもそういったものはありませぬ」
「はあ」
「これは何やら黒幕がいると思われます。確か貴殿は比熊山に登られたのですな」
「ええ」
「おそらくあの山に問題があるのでしょう」
上田は確かな声でそう言った。
「やはり」
平太郎にももうおおよその見当はついていた。
「山には昔から様々なものが棲んでおります」
「はい」
それは平太郎も知っていた。鬼や天狗の話は子供の頃からよく聞かされているからだ。
「今ここに現われるという物の怪共は比熊山に棲む者共でしょう」
「やはりそうですか」
「はい、そして貴方は彼等の気に触る様なことを知らず知らずのうちにしてしまった。思い当たることはありませんか」
「そうですなあ」
彼は言われてふと考え込んだ。
「そういえばあの時石に少し腰掛けましたが」
それをふと思い出した。
「それですな」
上田はそれだとすぐに直感した。
「おそらくそれです。その石は化け物にとって何か特別なものであったのです」
「あの石がですか」
今思い出しても何の変哲もない石であるが。平太郎にはそれがどうして化け物と関係あるのはよくわからなかった。
「化け物には化け物の世界があります故」
上田はそれについてはこう言った。
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