第一五話「超電磁砲vsサソリの尾」
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術があることを知った。振るう大鎌が目で終えないなど、油断できるような相手ではないだろう。
相手が大鎌を指先でバトンのように回す。それに対してこちらもいつでも動けるように、電磁波によるバリアと電撃をいつでも放てるように準備する。
狙うは金属棒で構成される大鎌だ。あれを磁力で奪い取る。奪い取れなかったとしても、磁力で引き寄せれば相手の動きの阻害にはなるだろう。そこで隙さえ作れば、確実に電撃を通すことができる。
一気に空気が締まる感じがした。間違いなくこの相手は強い。
そして、遂に──
「じゃあ……ちょっと学園都市を行き来して喉渇いちゃったし、お茶でも飲まない?」
分割した大鎌の金属棒の一つの蓋を回し、中からお茶を取り出した。
「………………は?」
「パトラー」
「おお、カナ。なんじゃ?」
御坂が素っ頓狂な声を出すと同時、路地裏に1つの影が現れた。
砂で作られた犬の顔をした人形が担いだ砂の神輿の上の、砂の玉座に乗りながら現れたのはツンと高い鼻に切れ長の目、おかっぱ頭の中東美人だった。
まるで古代エジプトの王女のような格好をした彼女は、砂の人形たちが膝をつくと、優雅に神輿から降り、カナと呼ばれた女性に近づいた。
「お茶が飲みたいんだけど、パトラも緑地飲む?」
「お茶か……そういえば妾も少し喉が渇いたな。だが持参のカルカデがあるので、そちらを飲むとしよう」
パトラ、というらしい女性が指を鳴らせば、砂の神輿の中から1つの砂の人形が現れ、彼女に水筒を渡した。蓋がカップになるタイプの水筒を2人ともそれぞれ開け、水筒の中身をすすぎ、共に飲んだ。どちらも飲む姿も絵になる美人だ。絵を1億で売られていても、買おうとするものがいるだろう。
……いやそうじゃない。
「あ、あの?」
「美味しいわね」
「美味しいのう」
「ちょ、ちょっと!?」
優雅に路地裏でティータイムなどやっている貴婦人2人に狼狽える御坂。すると貴婦人らしき何かである2人は
「なんじゃ。今は妾とカナが喉を潤している最中ぢゃろうが。気を利かせい」
「えっ……何?私が悪いの!?」
「当たり前じゃ。カナ、どうぢゃ?カルカデ、飲むか?」
「確かエジプトの良質なハイビスカス・ティーだったわね。是非もらうわ」
「うむ。安くて妾には似合わん品ぢゃと思っていたが、安さに似合わず上質での。そのかわり、カナも妾に緑茶をくれ」
「いいわよ」
……だ、駄目だ。流れについてけない……。
お互いのコップに緑茶とカルカデを注いで、コップを交換して飲んでいる。偉く妖艶であるが、わざわざコップを交換するのには何か理由があるのだろうか。
……これ以上は考えるな。考えるな!
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