第一五話「超電磁砲vsサソリの尾」
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──これ……あなたがやったの?」
「ええ」
目の前の美人はうなづく。まるで動作一つ一つで絵になるような優雅さと妖艶さを兼ね備えている。プロポーションを見ても、確実に女性として御坂は敗北していると認めた。特に胸とか。
……こ、これからが大事だから!これからが!
自分が変な動きをしたことが相手に暴露たらしく、女性は「キョトン」と可愛く首を傾げていた。
話題を変えなければ。
「あ、あんたが学園都市の暗部を外部にさらけ出そうとか馬鹿げたことしている連中なの?」
相手がうなづくがまぁこれは分かっていたことだ。このタイミングで大鎌なんて物騒な物を持って登場するなど、十中八九レベル5たちに警告が成された「学園都市の闇の解明」を目的に動く連中の1人に違いない。
だから御坂は女性にこう告げた。
「やめときなさい」
女性の表情が、少し変わった気がした。構わず続ける。
「学園都市の暗部は深いわ。部外者がその全てを知ろうとしたって、学園都市の闇に潰されるのがオチよ。貴方だってこんなことで怪我はしたくないでしょ──」
「ヨブ記8章3節」
突然発せられた声に、御坂の言葉が中断される。御坂が目線を向ければ、彼女は続きを言い出した。
「──神は公義を曲げられるであろうか。全能者は正義を曲げられるであろうか」
「──何?聖書?」
科学主義の学園都市で聖書の復唱とは、随分と物好きな人間ね、と御坂は呟こうとするが、その言葉もまた中断された。
「──クローン2万体を殺して絶対能力を作り上げようとしたあの計画は、善悪の解釈だけで問えば正しい行いだったかもしれないわね」
「!…………ッ」
間違いない。この人はあの狂った計画のことを知っている。
それを知って、尚動いている。
御坂の脳裏にある少年の顔が浮かんだ。自分の命一つで、全てを解決させようとして壊れていた自分に「心配した」と言ってくれ、自分のやり方を否定してくれた少年を。
「だけど──私が受け継いできた『義』が、それを納得させてくれないのよ。
善悪なんかじゃない。そんな人を助けるのが、私の夢だったから。
ちょっと迷ったりしたけど、弟に教えられてね。今はそれをもう一度目指せるようになったの」
……この人もあいつと同じ。
「この街の闇が深いことは分かっているわ。だから──力を貸してくれない?」
この学園都市の闇を晴らすための力を、と女性は締めくくった。
確かに、悪い話ではない。
もしかしたら、この学園都市の闇を晴らすことが、本当に可能かもしれない。
この騒ぎも彼らによる物かもしれないが、先ほどから襲い掛かってくる化け物を彼女が大鎌を使ったり、何故かはわからないが
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