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とある緋弾のソードアート・ライブ
第一五話「超電磁砲vsサソリの尾」
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が効きづらい。

 ようは、隙を作ってしまった。

 ほんの一瞬の隙だ。常人なら瞬間的すぎて知覚することすら苦難だろう。

 が、実力者同士の戦いではそれが敗北へと繋がる明確な隙へとなる。

 前へと伸びきった右腕。本来なら自らの拳が叩き込まれていただろう相手がいた場所を見据えていた削板の顔が一瞬、右を向いた。

 直後。その顔面に「流星(メテオ)」が叩き込まれる。


 ??


「ジーサード様!」

 突然飛び込んできた敵をジーサードが「流星」でいつの間にか迎撃していたのに気づいたジーサードリーグの者たちは、急いでジーサードに駆けつけようとした。ツクモやロカ、アトラスやコリンズも同様だ。金女とアンガスも一歩踏み出した。それをジーサードは

「──来るな!」

 一括。その理由は。

「……まだ終わっちゃいねぇよ」

 ジーサードの一言ともに、ツクモは見た。ジーサードの「流星」を完全に顔面に直撃させられた相手が、まるでなんでも無かったかのようにひしゃげたコンテナから立ち上がるのを。

「なっ………」

 コリンズが呻くのが聞こえた。恐らくこの場の全員は同じ心境では無いだろうか。もちろんツクモもそうである。

 元々、ジーサードリーグの多くの者はジーサードを殺すために派遣され、彼に退けられ、その末にジーサードというアメリカ、否、世界でも屈指のカリスマ性の持ち主の元に就くことを選んだ人物たちだ。ジーサードの拳の恐ろしさはその場のほとんど全員が体に染み付いている。本当に痛いほど分かる、というやつである。

 ……なのになんで立っているんだ!?

 相手は呑気に首を鳴らしてすらいる。一瞬余裕があることを見せつけてきたのかと思い、苛立ちの感情が出たが、すぐさま別の物が目に入ってきた。

 それは

 ……笑み?


 ??


 削板は自らの根性を叩き直すために、自分の両頬を思い切り引っ叩いた。

「──よし」

 はっきり言おう。舐めていた。

 どうやらこちらの根性が足りていなかったようだ。それは相手の根性に対して一番失礼なことだし、何より、相手を侮辱しているのと同じだ。

 目の前の少年を見据える。

 少年は自らの仲間らしき者たちを後ろに下がらせながら、こちらも同じように見据えてきていた。

 ……仲間を庇うとは、やっぱり根性があるな……!

 この男はただ自分の力に自信を持つだけの男ではない。仲間を遠ざけたのは自身の戦いに介入させない為もあるだろうが、何より敵が仲間たちを標的にしてこないように、敢えて自分が前に出たのだ。

 仲間を庇い、その仲間たちが男の力を信頼しているが故に下がる。これが根性がある以外に何という。

 腑抜
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