第一五話「超電磁砲vsサソリの尾」
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気が乗らない敵を延々と倒すことは最早作業だ。それではただ辛いだけだった。
せめて、1人でもいい。誰か自らの本当の肉体で、拳を握ってかかってくるやつはいないのか。
ビルが途切れ、コンテナへと大跳躍しながら削板は視線を泳がせる。誰か、根性に飢えている自分を満足させてくれるようなやつはいないかと。
と、コンテナから風車へと跳躍した時、それを見つけた。
今までの男達とは明らかに違う一団だ。老人や子供、外国人もいた。1人、狐の尻尾的なものが生えているのがいたが、尻尾が生えるとは大した根性だ。根性に男も女も老人も幼児も関係ない。
集団はコンテナとコンテナの間で何らかの話し合いと準備をしていた。後ろにある扉が無造作に空いている廃工場から黒人が1人出てきて彼らに合流したので、そこがアジトかなんかなのだろう。
なんの集団かはわからないがマシンガンやら持っている時点でろくなのではないだろう。だが、削板は
「──おもしれぇ……」
一団の中の1人の少年。自分と同じくらいの年代のド派手な特攻服を着た少年と目が合った。
削板は理解する。
あれは間違いない。根性がある目だ。
自分が、望んでいた相手だ。
今までの敵とも言えない相手への憤りや、根性も何も持たずに暴れるだけの相手への燻りは瞬時に忘れられ、喜びが満たされる。
続いてこちらに気づいた他の面子を退けながら、その相手は正面に、自分に向かって立つ。
一瞬で削板の表情が笑みへと変わった。
風車から直接、地面へと飛び立つ。相手へと、最高の一撃を加えるべく。
砂利の上に降り立つと同時、踏み込みにより砲弾のように自らを打ち出す。砂利を踏み出すのは本来なら幾分か踏み込みが甘くなる可能性があるが、そんなことは削板には関係が無かった。
できる限り最大限の踏み込みによって打ち出された。
行動は単純だ。踏み出した勢いを拳に乗せ、相手を穿つ。単純な話である。
ただ、それら全ての行為を、音速以上のスピードに乗って行えば、それは弾丸以上に恐ろしい立派な凶器になる。
ロケットスタートの要領で削板のスピードは一気に音速を超えた。そこから打ち出す一撃は届けばあらゆる壁や防具を容易く吹き飛ばし、あらゆる武装を破壊するだろう。
それに対して、少年が取った行動もまた、単純だった。
「…………」
「──え」
右に避けたのだ。音速以上の勢いを乗せ突き放たれた拳を。同じ音速以上で。右に。
生じた結果の末、削板の体は伸びきっていた。なにせ相手に叩き込むために、右拳を突き出し右腕を伸びきった状態にしていたのだから。さらに体はスピードに乗るために前傾姿勢となり、修正
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