第一五話「超電磁砲vsサソリの尾」
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ものから、剣やナイフなどで闘うどこぞのRPGの剣士のようなもの。明らかに人外な化け物まで。削板的にはもっと根性がある相手を願っているところだが、そんな高望みをしている暇すらない。
何より、敵を倒しても、その体は結晶となって消えるだけというものだった。
「……」
燻っている。
敵が己の肉体を持って、何らかの意思の元に戦っていたのなら、まだ「根性がある」として賞賛出来ただろう。
だが、あれは確実にそうではない。化け物の動きはまるで幽鬼のようで、明確な意思を持っていないことは明らかだし、人間の方も、まるでゲームでもしてるようだ。殴っても感触が薄く、それらはすぐに訳のわからない変な鉱石へと変わってしまう。
要は根性が感じられなかった。
「……っ」
ビルの上から一気に跳躍し、コンクリートの公道へと着地する。自分の周りの道路にクレーターが出来上がるが気にしない。
すぐさま右足でコンクリートの地面を強く踏み込む。体を丸めて放たれたその様はまるで砲弾のようにして自らの体を打ち出す。銃撃戦を繰り広げていた警備員、男達の両方が惚けた目線を向けていたのが見える。
まずは1人。突っ込んだ勢いで削板は体を男の懐へと激突させた。いきなり現れたこちらに惚けていた男は、銃器を構えることもできずに吹っ飛ばされ空中を5回転くらいしながら路面に激突した。
男を壁にして勢いを消した削板は慌てて銃を構える動作を取っていた右斜めの男に拳を叩き込む。
一撃。
その一撃で男が吹っ飛ばされ、近くのビルの壁に大の字を作ってめり込む。
「…………と」
その場で宙返りすると自分がいた位置に銃撃が加えられた。
後方宙返りで落下しながら、斬りかかろうとしていた男の顔面を踏み砕き、そして
「──すごいパーンチ」
残り全ての敵を吹き飛ばした。
??
まるで嵐のようにその場の全てを吹き飛ばした削板は再び跳躍する。
ビルの窓際や壁を走って一気に屋上まで駆け上がる。その後は先ほどまで同じように、ビルの縁から縁を飛び移ることを始めた。
飛び移る際に一度下を見てみる。
するとそこには先ほどから嫌というほど繰り返されていた景色が、性懲りもなく広がっていた。
「……ちっ」
謎の鉱石が転がっている。どういう方法かは見当がつかないが、変わらず学園都市を襲っている相手の体は偽物のものであるらしい。
今は対処したが、恐らくまたあの戦場にはすぐに別の一団が出てきて、警備員や風紀委員を襲い始める。それを退けたとしてもまた来るだろう。まさに無限ループだ。
……せめて根性があるやついねぇのか……!
飢えている、と自分でも感じる。倒す
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ