日常風景のパフォーマンス
第32話
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液ストレートを銜えた所で何かの答えに気付いたようだ。
「これがプロフェッサーの予想する未来なのかは分かりませんが、おそらくはこれも有り得るはずの未来です」
「聞かせてもらおう」
「……下級・中級悪魔による犯罪行為の増加。それも私の作った学校関係者からの」
「些か甘いが正解だ。ちなみに最悪まで辿り着けば内乱まで行くぞ。はっはっはっ、その場合処理が簡単な上も下もまとめて皆殺しで処分する事になっている。魔王様達にはそう伝えてあるから、内乱までは行かないはずだ。改革って言うのは何時の世も荒れに荒れるからな」
「……やはりそうなりますか」
「なるな」
「……私は何も見えていなかったのですね」
「まあ、若いし経験も少ないからな。こればっかりは時間がいる」
「…………」
「では、新たに問おう。夢を諦めるか?」
「…………」
「人生とは後悔の連続だ。高々100年であってもそう言われている。それの10倍以上を生きる事になるオレ達はさらに後悔し続ける事になる。組織のトップに立つのなら更に酷くなるだろう。それでも、理不尽を、事故を、裏切りを、悪意を、堕落を、嫌悪を、不条理を、挫折を、自己満足を、受け入れて飲み込み消化出来るか?」
ソーナ・シトリー達が怯えた目でオレを見てくる。それも仕方在るまい。魔導書の汚染はオレとアーチャーが分けて受け入れている。そして、アーチャーはその強靭な精神で普通に耐えている。オレは受け入れて同化し欲望に昇華させた。簡単に言えば精神を蝕む汚染を全てオレに適合する知識欲に変えて、マッドサイエンティストになった。自分の身体をも研究の材料の一つとしか見ないような。そんなオレの狂気に曝されているのだからな。
「オレは受け入れて飲み込み昇華したぞ。理不尽を、事故を、裏切りを、悪意を、堕落を、嫌悪を、不条理を、挫折を、自己満足を、愛おしい物と同じ様に抱きしめられるか?」
しばらく待ってみても恐怖からどうする事も出来ないソーナ・シトリー達を見て狂気を引っ込める。
「どうやら急ぎ過ぎたようだな。今日の所はここまでにしておこう。この部屋にはいつでも来ると良い。先程の問いの答えを出せば、答えに合わせて力と知識を貸そう。焦る必要はない。周りに相談してみるのも良いだろう。オレはお前の夢を否定しない。いつまでも成長を待っていよう」
なんとか部屋からソーナ・シトリー達が出て行き、魔導書の上で丸まっていた久遠が声をかけてくる。
「協力してやるって言っておきながら言葉でフルボッコとか良い趣味してるにゃ」
「失礼な。手痛い失敗をする前に対策を練らせてやっているだろうが。それにあながち間違いでもないんだぜ。人間の歴史がそれを証明している。人間だからって侮るなよ。人間の恐ろしい所は
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