空白期 中学編 25 「苦悩と女の子」
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……あぁくそ、どうにも上手くいかない。そう内心で愚痴をこぼしながら俺は背もたれに体重を預ける。
俺は小さな頃からデバイスマイスターの資格を取ろうと思っていた。シュテルやユーリといったすでに取得していた人物から勉強を見てもらったこともあって取得することはできた。
だが、恩返しというわけでもないのだが以前からテストマスターを行っていたため、これまではシュテルの行っている魔力変換システムや新型カートリッジシステム、ユーリのユニゾンデバイス関連の研究を手伝うことが多かった。
最近ようやく自分自身の研究をスタートさせたのだが、これがなかなかに難しい。研究の厳しさについては理解しているつもりだったが、自分自身が主体となってやってみると感じる疲労も段違いだ。シュテルやユーリのことを尊敬してしまいそうになる。義母さんに至っては……越えられない壁のように思えてきた。
「お疲れ様です」
柔らかな声と共にコーヒーと思われる液体が入ったカップが置かれる。声と視界に映っていた小さな手から予想は付いていたが、意識を向けてみるとやはりそこにはユーリが居た。出会った頃から変わらない笑みを浮かべてくれているが、体つきは日に日に女の子らしくなっていっている。
「ありがとう」
「いえいえ……お仕事のほうはどうですか?」
「正直に言ってあまり進んではないな」
俺が研究しているのはビット系に関するものだ。ビット系というと分かりにくい者もいるかもしれないが、既存のデバイスで言えばクロノが所持しているデュランダルに内蔵されている浮遊ユニットが該当するだろう。俺の記憶が正しければ、あれは凍結魔法を反射し効果を高める機能を持っていたはずだ。
なぜ俺がこの研究を行おうかと思ったかというと、デバイスがマスターをより助けることが可能になると思ったからだ。
優れた人工知能を持っているインテリジェントデバイス達は、マスターの意思とは関係なく防御魔法を展開してくれることがあるし、攻撃時においてもサポートを行ってくれる存在。つまりはかけがえのない相棒である。
無論、デバイス達にとってもマスターはかけがえのない存在であるため、彼女達もマスターを守りたいと考えているのだ。一度マスターの撃墜を経験しているレイジングハートやファラのように感情を表に出すデバイス達から直接聞いたことなので間違いはない。
ただ個人的にレイジングハートにこれ以上火力の強化……使用者に負荷を掛けるような真似はしたくない。
レイジングハートは冷静だが熱い部分も持ち合わせた性格をしている。なのはと一心同体なだけに、なのはが望めば双方に負担が掛かる行為も平気で行うだろう。バルディッシュほどとは言わないが、少しはリスクとか掛かる負担に対して気を遣ってほしいものだ。
とはいえ、ロストロギ
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