空白期 中学編 25 「苦悩と女の子」
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けどな」
「いいえしてます。ショウさんはシュテル達と接する時とわたしと接する時で違いますから。わたしのこと、女の子として見てくれてません」
「女の子として見てないって……」
まあ他の子と比べると、異性と意識しているとは言いにくいだけに否定はしにくい。大体ユーリは俺達よりも年下だ。故に誰もが妹のような存在として扱ってきた。異性と見ていたら何かしら言われる気がしてならない。
「まあ……見ているとははっきり言えないけど。それに……ユーリをそういう目で見るとディアーチェとかが」
「ショウさんはディアーチェがダメだと言ったら誰でも異性として見ないんですか」
「いや、そういうわけじゃないけど」
「じゃあディアーチェを言い訳にしないでください。別にわたしはつつつ付き合ってほしいと言ってるわけじゃないんです。女の子として扱ってほしいだけです!」
そのテンションで言われると遠回しに告白されているようにも思えるんだが……だがここでそのように解釈して進めると事態がややこしくなる可能性が大だ。それにユーリも思春期を迎える年代なのだ。子供扱いされたくないとか、異性として見られたいと思うのは普通のことなのではなかろうか。
「分かった、努力してみる」
「や、約束ですよ」
「ああ」
ユーリは強張っていた顔を緩ませて実に嬉しそうに笑う。こうして改めて見ると、実に魅力的な笑顔だと思う。もしも出会い方が違っていたならば、純粋に女の子として意識していたかもしれない。さすがに今はまだ妹分としての意識が抜けていないが。
「えっと……それと今度わたしとふたりでお出かけしてください!」
「え、あ……うん、別にいいけど」
「むぅ、少し反応が淡白過ぎませんか。わたし、デートに誘ってるんですよ……まあディアーチェやなのはさん達とよくお出かけしているショウさんからすれば……」
「ちょっと待て、確かに出かけることはある。けどそんな頻繁に出かけてはないからな」
なのは達は仕事があるし、アリサ達も習い事やお嬢様としての付き合いというものがある。それにどこかに出かけるとなれば、それは基本的に数人規模であってふたりでというのは滅多にない。
「だとしてもショウさんは誰にでも良い顔しすぎです。女の子というのはですね、自分にだけ優しくしてほしいものなんですよ」
「そう言われても……特別に想ってる相手はいないわけで。人によって口調が違っているかもしれないが、接している感覚としては同じのつもりなんだけど」
「そんなんだからショウさんは誰とも進展しないんですよ」
「あのさユーリ、話がどんどんおかしな方向に進んでる気がするんだが?」
というか、お互いに研究があるわけなんだしあまり長話するのもどうかと……気が済むまで話します、って顔をしているから当分
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