空白期 中学編 25 「苦悩と女の子」
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アといった存在は強大な力を秘めている。魔法を悪用する者の中にも熟練した腕を持つ者も居るのが現実だ。
それらに打ち勝つためには、時として無理・無茶・無軌道な行為が必要になる。そうしなければ、黙ってやられてしまうのがオチだ。
友人として心配してしまうが、技術者や魔導師としては力の必要性が理解できる。それだけになかなか精神的に来る仕事だ。何かしらのピースが欠けていたならばこれほど苦しむことはなかったのだろうが、ひとつでもピースが欠けていれば今の俺はいないだろう。
「確かショウさんはビット系とか補助系統の研究をしているんでしたよね?」
「ああ……知り合いのデバイス達はなかなかに厳しい注文をしてくれる」
現在、明確にプランのようなものを出しているのはファラとレイジングハートだ。
ファラのプランは、ある意味俺の研究の試作となるようなものだ。ビットとしても運用できるが、おれ自身が剣として使用できるというもの。またファラをベースに合体させるというものだ。
合体させる理由としては、フレームの強度といったものは昔よりも増してはいるが、やはりアームドデバイスに比べると強度に劣る。近接戦闘を行うことを考えると、そこを補うのは必要になるだろう。
魔導師として現場に出ないのが俺にとっては最善なのだが、状況によってはやらなければならない時もある。過去にロストロギアを巡る事件に遭遇しているだけに、平和な日常が突然崩れることを知っているのだから。
まあファラのはともかく……現状でレイジングハートから提案されているものは、はっきり言って危険すぎる。使えるようにしたとしても、膨大な魔力に加えてマスター・デバイス共に多大な負担を掛けるのは間違いない。
あくまでの最後の切り札として求められているわけだが……仮に組み込んだとして使用すれば、確実にエクセリオンモード以上の負荷が掛かるはずだ。エクセリオンモードについては改良を施して負荷の少ないものに変えていると聞いてはいるが。
なのはの力量を考えれば現状でも充分すぎると言える。だが高い力量を持つということは、必然的に人知を超える危険に遭遇する可能性も高い。
たとえなのはが魔導師でなくなったとしても、俺は彼女との関係を絶つつもりはない。何より望むことは生きていてくれることだ。それを考えると……たとえ負荷を掛けると分かっていても、切り札と呼べる存在を容認する理由にはなる。
「あぁくそ……思い出しただけで無理難題を言ってくれる奴らだ」
「それだけショウさんのことを信頼しているんですよ。お手伝いで皆さんのデバイスのメンテナンスに関わることはありますけど、みんなショウさんの話題になると色々と口にしますから」
人間や技術者としては嬉しい言葉ではあるが、自分のいないところで……しかも人間ではなくデバイ
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