5部分:第五章
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述べてロキに尋ねてきた。
「貴様はどうしてこの話を知ったのだ?」
「この話って?」
「だからだ。スリムがミョッルニルを盗んだという話だ」
彼はそのことについてロキに問うてきた。
「最初から知っているようだったが。それはどうしてだ?」
「それか」
「そう、それだ」
本来ならばかなり調べないとわからない話だ。しかし彼はすぐにそれを知った。これがトールにはいささか不思議であったのだ。それで今このことを問うているのだ。
「どうして知っていたのだ?」
「ああ、それか」
トールのその問いに対して。ロキはいつもの様にしれっとして答えてきた。
「わしの耳はいいのだ」
「御前の耳はか」
「そうだ。だからわかったんだよ」
これまた平然と嘘をついていた。
「それだけさ。これでいいかい?」
「ううむ」
何か引っ掛かるものを感じたのは事実だった。しかしトールは元来こうした嘘とかに弱くロキは嘘の達人だ。勝負は最初からわかっていた。
「まあいいか」
「そういうことだ。それではな」
「帰るとするか」
「我等のヴァルホルにな」
最後はうやむやにされてしまった。だがミョッルニルは無事トールの手に戻り巨人達は倒された。トールにとっては満足のいく結果だったのでそれでよかったのだった。その前にはロキの疑惑は些細なことであった。
雷神の女装 完
2008・6・1
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