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日向の兎
1部
41話
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からな」
「はぁ……一応、変装して、声帯を弄って声の変えている筈なんですけどね」
「私を騙したければ骨格と内臓を変えるくらいはしなければな、白」
茶屋の店員改め、波の国で出会った血継限界を扱う少年白は変装用のマスクを取り、うんざりしたような視線を私に向けた。
「無茶を言わないで下さい。それと、一応再不斬さん共々逃亡中の身なんで本名はやめて下さい」
「本名だったのか……」
「以前あった名前は何処かに置いてきましたからね。少なくとも、今の僕は白以外名乗る名前は持ち合わせていません」
「成る程、激しく共感する話だな。いや、私の場合は名前を置いてきたというよりは、借り物を返したと言うべきか……すまん、どうでもいい話だったな」
「はぁ……まぁ、なんだっていいんですけど、とりあえず僕達の事は黙っていて貰えませんか?」
「構わんよ。今は私も里を抜けた身だ、今のところ目立つ予定はない。だから、その後ろ手に持った千本を仕舞いたまえよ」
「ありがとうございます。それにしても……本当に便利ですね、その眼」
「そうでもないさ。今の所、単なる寝惚け眼(まなこ)以外の何物でもない」
「……それについて色々と聞いてみたい気もしますが、やめておきましょう。貴女とはそれ程語り合った訳ではありませんが、自分から厄介ごとに突っ込む趣味はありませんから」
それは結構、私は心の中でそう呟いて残りの団子を口に放り込んだ。本当はもう少しゆっくりしていたかったのだが、どうにもそういう訳にはいかんようだ。
1、2……3人か、追い忍としては妥当な人数か。
私が食べ終えた団子の串を皿に置くと同時に、白達を追っていた追い忍達が店の前に現れた。
「上忍が3人、前に追いつかれてから1週間も経たないうちにこれですか」
白はそう愚痴りながら、周囲にチャクラを巡らせた。どうやらいつぞやの鏡を使った術を使うようだな。
だが、上忍3人というのは私にとって悪くない相手だ。それに霧隠れとなれば、尚更な……
「白、団子の代金はこの者達を倒す事で払うが構わんか?」
「……上忍ですよ、相手は」
「気にするな、この人数なら問題ない」
私は両目を閉じ、右腕に意識を向け、チャクラを練り上げる。すると、徐々に私の体が組み変わる感覚が右腕に広がり、両目を開くと私の腕は赤いチャクラの嵐が右腕の形を成したかのような外見になっていた。
私の腕の変化に警戒したのか、上忍達は距離を取ろうと後ろに下がり、森の中へ姿を隠した。
「まだ近いな」
しかし、私の右腕は一瞬で巨大化し、森の木々諸共上忍達を掴んだ。上忍達はまるで化物を見るような眼を私に向けたが、事実そうなのだから甘んじて受け入れよう。
では、化物らしくやる事をやらせてもらおう。
「そのチャクラ、頂くぞ」
私の両眼に僅かな疼きが
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