1部
41話
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里を抜けて数日経った訳だが、どうにも木の葉は大変な事になったらしいな。追っ手の忍が来ることも想定したが、どうにもそれどころではないらしい。砂と音が組んで木の葉を潰しに来たが、木の葉がそれをなんとか押し返したとの事だ。
とはいえ、木の葉もただでは済まなかったようで、三代目が大蛇丸に討たれたのだ。流石に火影と言えど、老いによる衰えを考慮するならば順当な結果か。
そういった人の生き死にでこう言うのは悪いとは思うが、火影の死という大事件のお陰で私がこうもあっさりと里を抜けることが出来たという事は比較的喜ぶべきだろう。
並の上忍であれば今の私であれば対処出来るが、僅かばかり……訂正しよう、尋常無く目立たざるを得ないのでこの追っ手のない状況は非常に好ましい。
大は小を兼ねるとはよく言うが、何事にも限度という物がある。今後は極力チャクラを使うことは控えるべきだろう。
もっとも、私とてしては三代目や追っ手よりも守鶴の方が問題だ。あの狸が表に出て、散々暴れてくれたお陰で私に大変な迷惑を被ったのだ。主に精神面でな。
私の役割上仕方ないのだろうが、この仕様を考えたのはあの二人の内どちらなのだ?私の造物主に対して兎角言うつもりは無いし、この仕様も分からんでもない。だが、もう少しやりようがあったろうに。
私は心の中で愚痴をこぼしつつ、団子を口に放り込む。
「お客さん、お茶のおかわり如何ですか?」
「結構だ、もう出るからな」
「畏まりました」
大体、千年前の尻拭いを私がせねばならんのだ?……いや、その為に作られたのだから文句を言うのは筋違いだろうが、それでも文句の一つでも言わなければやっていられない。
そもそも、親父殿も事実を教えるならばもっと前に言って欲しかったものだ。私が人で無い事は別段どうでもいい、私が何であろうと私は私だからな。私にとって伝えられた真実とは、私が果たすべき義務が明かされた程度のものだった。ああ、それでも私の人生設計が一部崩されたという事も付け加えるとしよう。
だが一番の問題は妹達だ。ヒナタやハナビに私の正体を何と言えばいいのか分からず、半ば逃げるように家を出てしまったのだ。一応は置き手紙のような物は書いておいたのだが、やはり内容に不足は無かったかなどを考えると夜も眠れん。
……まぁ、私の場合はもっと考えるべき事はあるが、それは後回しにさせてもらう。流石にそれを考えると、今の私ではあらゆる繋がりを絶たなければならん。
人の身ならぬこの身でそんな事を考えるのは滑稽だが、数日前までは人として在ったのだから、多少の弱さは許してほしい。
「それにしても、いかなる事実を突き付けられようと、在り方とはそう簡単には変われんものなのだな。そうは思わないか?」
「……」
「くく…返事くらいしたまえよ。知らぬ仲ではないのだ
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