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雷神の女装
2部分:第二章
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「策だというのか」
「そうだ。だからフレイヤでなければ駄目なのだ」
「うむ、それはな」
 さっきから何度も話していることなのでこれはわかる。
「だからこそ御前さんが化けてだ」
「フレイヤに化けてだな」
「安心しろ、向こうはフレイヤの顔を知らない。いや、知っていてもヴェールで顔を隠すからわかりはしないさ」
「ヴェールでか」
「花嫁に化けるのだよ」
 ロキはこう言う。
「これならばこちらの姿はわからないしそのうえ怪しまれない。どうだ?」
「そうだな。言われてみればな」
「そしてわしが侍女になってついて行こう」
 ロキは同行することも言った。これは彼のトールへの友情めいた感情から来た言葉だがそれと共にこれから起こる楽しい出来事を是非側で見たいという気持ちも会ったからだ。こうしたところはやはりトリックスターであった。
「わしは女にも変われる」
「そうだったな。御前の変身はな」
 彼は何でも姿を変えることができる。変身の術では神々随一なのだ。

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