第一四話「暴走と流動」
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戦徒とは先輩の生徒が後輩の生徒とコンビを組み、1年間指導するという武偵校に存在する二人一組特訓制度であり、間宮あかりは神崎アリアが、風魔陽菜は遠山キンジ、佐々木志乃は星枷白雪が現在育成している戦妹(アミカ)なのである。
今回の依頼において、早急な人員の補給を必要としたアリアは、実力もあり、信頼できる自分の戦妹と、その仲間たちを呼び寄せることにした。彼らには実戦の経験もあるし、今回の任務は彼らにとっても、いい経験になるかもしれない。もちろん、その役割はあくまで「バックアップ」だが。
アリアに直々に指名された武偵校のメンバーは間宮あかり、佐々木志乃、火野ライカ、島麒麟、乾桜、風魔陽菜の6名である。高千穂麗や夾竹桃も視野に入れられてたが、チーム内の雰囲気の安定や彼女たち自身が別の依頼を受けているなどの理由で不在だったため、残念ながら彼女たちには声をかけることはなかったというわけだ。
武偵校を通じてアリアの指示を受けた彼女たちは、上級生に頼りにされたのを内心では喜び(特にあかりの喜びようは尋常ではなかった※ライカ談)同時に、先輩たちが手こずっているという依頼に、自分たちがどう役に立てるのか不安になりながらも、武偵校にて出来る限りの準備を行い、来るべき時の備えを進めていた。
同時に、キンジたちはキンジたちで、武偵校にて必要な物資と共に待機していた彼女たちを武藤と不知火が回収しに行き、残った内のバスカービルのメンバーはDEM社での会合に臨んでいる。
そしてことは起こった。
プライベーティアの一部の暴走。彼らによって引き起こされたというテロ行為により、学園都市は既に騒乱の渦が出来上がり始めていた。
これは流石のDEM社も予測の範囲外だったらしく、掛かってきた電話口の後ろからはドダバタと何かが行き交う音が聞こえている。大方、予定よりも早く動くことになった魔術師やDEM社の職員たちが大慌てで調整を行っているのだろう。
それは自分達にも言えることだ。
何せあの会合の後、ホテルに戻ってきたとほぼ同時にこの連絡である。碌な準備など出来てはいなかった。
準備と言っても装備面での準備は特に問題ない。迅速な行動を必要とする武偵ならこれより酷い装備で事件に当たったことなどアリアほどになるといくらでもあるし、武藤たちが武偵校から物資を運んできたおかげで、その面ではまるで問題はなかった。
問題は精神的な面。
要は心構えである。急な戦闘に慣れている自分達はともかく、1年生たちは来ていきなり碌な学園都市に対する情報も無いまま戦闘に巻き込まれることとなる。
念のため、武藤が運転する車の中での依頼内容についての詳細な説明や学
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