第一四話「暴走と流動」
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ったことであろう。自分も、「聖人」という力が周りに受け入れられていなければ同じようになっていたかもしれない。
もちろん、彼女らの辛さなど自分には分かりもしないし、彼女達は既に、1人の少年が命懸けで救い出した後であった。しかし、何か助けになりたいと思ったのは事実だ。
「…………」
「女教皇様?」
くすりと笑った神裂に横で歩いていた建宮が不思議に思い首を傾げた。
命懸けで世界から拒絶された少女たちを助けた少年。まだ顔を合わせていないが、この艦にいるという少年。
さぞ、あのツンツン髪の少年と気が合うのではないだろうか。
精霊たちがどうしても、ということでフラクシナスのバックアップの元、午前中のみ学園都市の施設で少し遊んだ士道やキリト達。1時頃に琴里がイギリスから来るというあのステイルという赤髪の神父や土御門という金髪グラサンの少年の仲間と会って話すというので共にフラクシナスに戻ってひと段落した後、遅めだが昼食を取ることにした一同はフラクシナスの食堂に向かったのだが。
「……なんか…すごいいるな」
「ええ……」
下手な学校の食堂より明らかに大きなフラクシナスの食堂の席は、シスター服を着た少女やフラクシナスの職員やよくわからない人やらなんやらで埋め尽くされていた。
部屋を見渡せば皆それぞれで思い思いの食事をしており、例えば野菜やパンなどの簡単な物──悪く言えば質素な物しか取っていない背の高いシスターから、ミートボールがゴロゴロ乗ったスパゲッティを嬉しそうにかきこんでいる幸せそうなおさげの少女、それらの洋食とは打って変わって焼き魚に白米に味噌汁と「日本の朝食」と言うべき和食を食している肌が露出しまくっている女性など、取っている食事は十人十色だった。令音や神無月なども地味に混ざっており、中には食事を摂らず机に座っているだけの褐色のゴシックロリータを着用した女性などもいる。なんとなく士道は、その服装から狂三を思い出していた。
入り口近くでしばらく固まってしまった一同。大人数で場に固まるとなると当然入り口を塞いでしまうわけで。
「あ、あの」
「あ、すいません」
おとなしめの、二重まぶたが特徴的な少女の邪魔になってしまったらしく、慌てて入り口を開ける士道たち。そのまま入り口にて突っ立っているのも何なので、流れに乗って神無月・令音がのみが座って、他の席が空いている大テーブルへと座ることとなる。
そしてすぐに頼んでもいないのにスパゲッティが運ばれてきた。
「……あれ?」
おさげのシスターが食べていたのと同じ肉団子がゴロゴロ転がっているスパゲッティである。とても、美味しそうである。
「あのー……これは?」
恐る恐るといっ
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