第一四話「暴走と流動」
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それ以外に考え用がないのは確かだった。
それを裏付けるかのように、部屋に駆け込んでくる者の影があった。
「アリア先輩!」
アリア以上の低身長に・それに見合った幼児体型・八重歯・ツインテール・アホ毛というなんとなくアリアと共通する要素が多い、キンジたちより1つ年下の武偵校1年生の女子生徒。
部屋に飛び込んできたのは間宮あかり。アリアが現在育成している戦妹であるDランク武偵だ。どうやらホテルに異常が起こる前に中に入ることに成功したらしい。
「あかり!よく来たわ──」
「先輩!大変なんです!」
即座に、あかり達の身に何かあったのに気づく。見れば、部屋に入ってきたのは彼女だけだ。一緒に来たはずの他のメンバーや迎えに行った武藤や不知火がいない。
「落ち着きなさい。どうしたの」
アリアが語尾を和らげながら、あかりを落ち着かせようとする。「武偵としてのパートナー」としての面しかほとんど知らないキンジは、「戦姉」としてのアリアを見て少し驚きはしたが、確かにアリアは年下に対しては面倒見がいい面がある。これも彼女の姿の1つなんだろう。
そんな思考をチェンソーで断ち切るように、あかりの発した言葉は場に緊張を与えることとなった。
「地下駐車場にて武装した連中が進入してきました!今、武藤先輩と不知火先輩が志乃ちゃんやライカちゃん達と一緒に応戦している状況です!」
やはりか。苦虫を潰したような顔をするアリア達。
恐らくは敵の狙いは自分達。学園都市の何らかの組織による襲撃だろう。ホテルを狙ったテロ行為の可能性も無きにしも非ずだが、タイミングが良すぎる。これは、学園都市側による何らかの妨害工作と判断してもいいだろう。
アリアは心の底で舌打ちをした。
ヨーロッパ武偵連盟に対する疑念も浮かび上がったこの場面で、無理矢理彼らの思惑通りに動かされるようになってしまったことに。
そしてもう一つ動き出す集団がいた。
イギリス清教。必要悪の教会。
対魔術の戦闘に於けるプロフェッショナル達が、科学サイドの総本山たる学園都市に入ってきていた。
彼らの標的は『ソラリス』と呼ばれる存在。
「彼の存在を、必ず捕えよ」という、最大主教直々の命令を下され、動いた戦力は少しでもイギリス清教について知っているものなら絶句するほどのものであった。
まずは『聖人』神裂火織。彼女が投入されるだけでも敵が只者では無いことが伺えた。なにせ世界に20人しかいないという聖人の中でも指折りの実力者。それが神裂火織なのである。それが投入となれば相手はただのフリーな魔術師やそこらの魔術結社でないことは明白であった。
それに加え、天草式とアニェーゼ部隊という大きな戦力
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