第一四話「暴走と流動」
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
園都市の地形についての情報は一通り済ませてある。心構えも彼女たちのことだ。いくらかは出来ているだろう。
しかし、悪いことは立て続けに起こりやすい。
それを裏付けるかのように最大の問題があかり達がホテルにもうじき着くという連絡が入ったと、中空知が言った直後に起こった。
「……アリアさん、緊急事態です」
「──!レキ、どうしたの」
アリアやキンジ達が状況の判断の為、ジーサードリーグを始めとするあちらこちらから情報を連携し集めている間、窓の近くにて愛用している狙撃銃ドラグノフを抱えながら体育座りしていたレキが突然立ち上がり、アリアに何かを訴え出た。
もちろん、アリアやキンジ・白雪や理子がもたらされた学園都市内の情報を整理して起こっている事態に対する自分らが取るべき行動を模索し、中空知やジャンヌがジーサードリーグやDEM社と通信を行い情報収集を、ワトソンと平賀が装備の調整を行っている間、ただ何も考えずに座っていたわけではない。
レキが窓際で座っていた理由は、何かホテルに異常が起きた時、迅速に対応する必要があるからである。
暗部の小組織にはメインとなる構成員の他に、後片付けや運転、隠れ家の整理など彼らのサポートをする下部組織があったという。今は解体されたというが、もしかしたらそれらの元構成員と「アイテム」のメイン構成員に繋がりがある可能性もある。事実、浜面仕上という「アイテム」の構成員の1人は、元下部組織の構成員だったという。
ここは学園都市。未知の技術が跋扈する都市だ。どこからどう自分たちの情報を盗み取られるかは分からない。
アリアたちの部屋からなら窓からホテルの正面玄関を見通すことができた。そこでこの面子の中で一番視力の良いレキが、ホテルに何か異常が起こらないかを見張っていたのである。もちろん、搬入口や裏口など他にも出入り口はあつたので、そこには通信機を仕掛け、中空知の耳による防衛戦を張っている。彼女の耳なら僅かな異変の音も聞き取れるだろう。
「正面玄関に少数の武器を所持した集団が押し寄せてきています」
そしてレキが異常が起こったことを知らせてきたということは、もしかしたら既に「アイテム」が自分たちのことを嗅ぎつけその対処に動いたのかもしれない。
場に、一抹の不安が過る。
ただでさえ、依頼主であるヨーロッパ武偵連盟への猜疑心が強くなっている状態なのである。彼らが、こんな不始末を起こすような不安がある組織をそもそも雇うわけがない。もし、彼らがこの事態になることを予測して、それでこちらを嵌めているとしたら。という憶測が過る。何せ連携をしているはずのDEM社ですら、プライベーティアについて詳しくは知らず、今回の事態について大騒ぎしている状態なのだ。根も葉もない憶測だが、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ