第一三話「元暗部の奴ら」
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レムリンを倒したのも上条当麻』『デンマークの一件で、オティヌスを救おうとしたのも上条当麻』などと根も葉も無さそうなことがつらづらと書かれていた。
馬鹿馬鹿しい。もし本当にそんな60億なり70億なり世界中の人を救える救世主のような人間がいたなら、あんな悲惨な暗部組織の衝突など起きなかっただろう。
それにそんな人間がいたのなら、そいつは「救えなかった、失われた全ての命に対する責任」を問われることにもなる。極論、「お前がいなかったからあいつが死んだ」「お前が救いに来てくれなかったからあいつが不幸になった」という暴論すら可能になるのだ。もし自分がそんな立場に立てば、メンタルなど砂上の楼閣のようにあっという間に崩れ去るだろう。
あくまでドライに上条当麻の噂話を判断する彼も、やはり元暗部の人間というところだろうか。
と、ここで見ていた携帯の画面が切り替わる。電話の受話器のマークが出たことから、どうやら誰からか連絡が掛かってきたらしい。画面を収納し、ボタンを押し通話に応じる心理定規。
「はいはーい」
『心理定規か。査楽のやつもそこにいるのか?』
わずかにだが聞こえてきた声は査楽にも聞き覚えがあるものだった。鈴を転がすようなこのような美声の持ち主に査楽は心当たりがある。
「あ。あなただったのね。えー名前は確か……」
『シルバークロース=アルファだ。いい加減覚えてくれ』
第三次世界大戦後に結成された組織「新入生」の一員として学園都市の上層部に一方通行・浜面仕上を「大きな一つの殺害対象」として認識させようと暗躍した1人。シルバークロース=アルファ。端正な顔立ちと長髪という非の打ち所がないイケメンながら、様々な駆動鎧の「コレクション」を使った「真正面からの力押し」を得意とする青年。
元々「新入生」は暗部解体の折に「解放ではなく暗部に留まることを望んだ者」たちが集まった組織だったが現在ではその新入生も解体され、その後も紆余曲折あり彼はこうして査楽&心理定規の腐れ縁の1人なってしまっていた。もちろん、本人の意思など関係なく。
「いますけど……何の用ですか?」
『なに。『脱落者』について頼まれていたものが出来たのでな』
自分の名前を呼ばれた査楽も会話に参加したところで、携帯にメールが着信したのを表すバイブの振動が伝わった。どうやら例のが届いたらしい。
携帯の通話をスピーカーに設定し、そのまま収納していた画面を出す心理定規。出てきた画面を操作しメール欄からそれを引っ張り出した。
「…………うん。頼んでいたものね。ありがとう」
『大変だったんだからな。いくらあのスキルアウトの忍者やくノ一の子が手伝ってくれたとはいえ、統括理事会が把握していないような連中だから、情報を手に入れるので手一杯だ
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