第一三話「元暗部の奴ら」
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変わっていた。
ゾンビの理論で「現世」に現れた魔神たち。その理論を組み立てたゾンビがすでに撃退され、激昂して襲いかかって返り討ちになったと思っていたアレイスターが実は自分たちのステータスさえ持ち帰れば良かったとあの時の相対の本当の目的を知った彼らは、アレイスターに埋め込まれた術式で弱体化を余儀なくされていた。本当ならこの程度のもの──異界の技術なので苦戦はするだろうが──脱出するのは容易にできるだろう。が、今の彼らには無理である。
隔離された彼らは自らが大切にしていた上条当麻の動向を、今や静観するしか無くなっていた。
「ゾンビも行方不明だし。ほっんとに無限の退屈ってのも死にたくなるよねー」
伸びをして退屈さをアピールする娘々。彼らは長きに渡り「隠世」にいたが、この空間はそれ以上に何もできないし、何もない。僧正もネフテュスも退屈も過ぎると死にたくなるというのには同意できた。最も、彼らは死ぬことなどできないが。
僧正「…………で、お主は一体何をしに来たのじゃ?」
そして真っ先にそいつについて指摘したのは僧正だった。もちろんネフテュスや娘々も気づいていたことだが、わざわざ一番最初に口に出した辺り、僧正が「未だに悟りが開けない」と娘々に馬鹿にされるのも仕方ないだろう。ついさっきもアレイスターを散々小馬鹿にして煽った挙句のあの展開である。小物臭がしても仕方なかった。
「あらあら。気付いていらっしゃったのですね?」
そして、それはそんな僧正の呼びかけに応えた。
闇という言葉で表されないような漆黒の中から現れた彼女を見て、僧正たちは眉をピクリと動かした。
少女は美しかった。黒髪を左右非対称のツインテールにし、赤と黒を基調としたゴスロリのようなドレスを着た少女のオッドアイの左目は金色の時計の文字盤となっていた。
ドレスと良く似た日傘を持ちながら優雅に現れた少女は、まるで淑女のようなお辞儀をし、同じ人外でありながら自分たちのスペックを大きく超えた存在である魔神たちに挨拶した。
少女の名前は時崎狂三。「最悪の精霊」と呼ばれる、五河士道がデートしながらも唯一力の封印を未だに逃している精霊。
まるで「対等の存在」のように挨拶してくる狂三に対し、娘々は唾と共に吐き捨てる。
「舐められたねー。いくら弱体化したからといってもあんたら「精霊」みたいな陳腐な存在に遅れをとるのは流石にないって。自分で過去も変えられないように存在にさ」
「うふふ。それは今は受け流しておきますわ。お互いこの場での闘争は避けたいでしょう?」
アレイスターを散々煽ってあの仕打ちを受けておきながら、まだ煽るとは成長しない連中だな、と狂三が思ったのも真実だ。まぁ、彼らは魔神というすでに完成
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