暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第一二話「本物の地獄に住む狂乱者たち」
[7/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
とは見たことがあるのか。と突っ込む御坂だった。口で言っても何にもならないし心の中で、だが。

 そんな事はともかく、と目の前の惨状を確認する──が、御坂はその惨状を見て眉をひそめた。

 ある程度の悲惨な惨状は覚悟していた。なにせ相手はあの第四位だ。先ほども思ったが、相手が腕の1、2本で済まされるとは思ってはいない。御坂は爆煙から出れば、麦野の周辺に手榴弾を投げ込んできた連中の惨たらしい末路が広がっていると考えていてさえいた。

 ところが麦野の周りにあるのは、先ほど御坂が読んでいた漫画雑誌ほどの大きさの鉱石がゴロゴロと転がっている姿だった。死屍累々とした環境見せられずにすんでホッとしたが、それでも場が異常なことには変わらない。

 店内にいた人たちを一先ず逃し、会話に参加することにする御坂。本当ならあまり一緒にいたくない相手であるが、今は協力した方がいいだろう。同じ判断を下したのか、麦野も何も言わなかった。

「ちょちょ。何ですかこれ。超どういう状況か分かんないですけど」

 麦野に問いかける絹旗。しかし麦野もさっぱりという顔をしたところ、場がどうしてこうなったのか理解できてないらしい。

「私だって分かんねぇよ」

 鉱石を一つ拾い上げ、観察する絹旗だったが、別に彼女は鉱石系に詳しい科学者ではない。この鉱石が異常な大きさということがなんとなくわかるだけだった。

「腕弾いたのはいいんだけど、そしたらなんかいきなり消えちまって。それだけ」
「消えた?」

 御坂もこれまで様々な敵と戦ってきた。あの馬鹿ほどでは無いが、見てきた世界も常人よりかは随分広いとは思っている。

 しかし突然消える敵とは中々戦ったことはない。いや、「空間移動」系の能力者と対峙したことがないわけではない。

 しかし、いくら彼女が知る白井黒子でも、腕を消された恐怖とパニック状態で、正確な演算が行えるとは思えない。それに加えて相手は恐らく外部組織だろう。現にあの手榴弾は外部によって開発されたものだった。それならば彼らが能力者という推測は立たない。

 では一体、彼らは……。

「しかし、なんで初めから能力を使ってあの手榴弾を使えなくしようとしなかったんですか?この質問、麦野も超該当しますけどね」
「ああ。そこ?」

 思考にふけっていた御坂は、絹旗の声に反応して顔を上げた。

 絹旗の言う通り、彼女たちの能力なら不意打ちの手榴弾でも使用不可能に簡単にすることができただろう。

 しかし、それをしなかった。ということはそれなりの理由があるというわけだろう。

「流石に狭いコンビニの中であんなのに追い込まれたら戦いにくいしね」
「ん?あんなの?」

 首を傾げる絹旗。何のことだか分からないので当たり前であろう。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ