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とある緋弾のソードアート・ライブ
第一二話「本物の地獄に住む狂乱者たち」
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 隣の麦野の反応、更に隣の絹旗の反応からあのメールが自分だけではなく、他のレベル5にも届いているらしい。御坂と麦野だけに送っていたと考えるとなると、御坂と他のレベル5が顔見知りですらなく、お互い情報交換することがないと断定することになる。確かにこの学園都市で他のレベル5に会う確率はかなり低いが、だからと言って0ではないのだ。もし、これが統括理事会を名乗るだけの人物となればそのくらいは予期して当然だろう。

 どうやら、「全てのレベル5に向けて」という言葉は信じていいようだということはわかった。少なくとも、今回事態に巻き込まれたのは自分だけではない模様だ。

「…………どうする気?」
「どうって……別にすることなんてねぇよ。あのメールが本当かどうかなんて知ったことじゃないからな」
「もし、あのメールが本当だったら……」
「それだったら簡単だ。私たちを狙うんだったら腕の一本や二本じゃすまないことくらいはわかってやるんだろうよ」
「…………」

 確かに、軍隊と戦うことができると言われているというレベル5と戦うとなるとそれなりの兵力は持ってくるはずである。それでも所詮は外部の技術だ。左にいる女なら少なくとも全員が腕の一本や二本は消し飛ばすくらいのことはするだろう。自分も、その程度の相手に負ける気はない。

 しかし、それでもあのメールの内容は無視することはできなかった。

「けど……大事な人を巻き込むわけにはいかないの。できれば、私は穏便に済ませたいのよ」

 もちろん、自分だけが狙われていると聞けば喜んで敵を返り討ちにするし、こんなメールここまで気にかけることもしなかっただろう。それは大事な人が狙われているとなれば大きく翻る。

 自身の大切な友達を、妹達を、巻き込みたくない。

「だったらお前はお前で好きにすればいい。さっきも言ったけど私は知ったことじゃないからな」

 ただしその考えは御坂の物で、麦野は全く違う考えをしていた。

 確かに、彼女にも失いたくない物はある。しかし自分の身を守れるのは結局のところ自分のみなのである。もし、外部の組織ごときにやられたらそれはそいつが弱かっただけなのである。

 麦野沈利は丸くなった。しかし、彼女の本質事態に変化はない。

 もっとも、それは本人がそう思っているだけかもしれないが。

 なんにせよ、麦野は御坂の事情なんて自分の事情に組み込む気は無かった。赤の他人がどうなろうとどうでもいい。

「……あんたが暴れると私の知り合いに危害が及ぶかもしれないって言ってんだけど」
「だからそんなん私の知ったことじゃないって言ってるだろ?」

 御坂も予想していた答えだったが、だからと言ってここで戦って相手の考えをねじ伏せたところで何も変わらないだろう
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