暁 〜小説投稿サイト〜
結局のところ俺の青春ラブコメはまちがっている
結局のところ鷹巣隆也はわからない
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いているのが見てとれる。チラリと比企谷に視線を向けると彼女も意外だったのか驚き顔だ。俺よりも舞浜との付き合いが長いであろう比企谷ですら驚くのだから俺が驚かないはずがない。それはもちろん川崎にも言える。言われた本人である川崎はかなり緊張した面持ちだ。小刻みに震えているのが見てとれる。この後彼女は一体どんな行動に移るのだろうか。
 舞浜は座ったまま腕を組んで川崎を見つめている。対する川崎は舞浜が次にいつその口を開くかびくつきながら警戒している。このピリついた空気の中やはりと言うべきかこの空気の中で声を出せたのは舞浜だった。

「私の話ちゃんと聞いてた?どうして書けないの?あそこまで聞いてたら何かしら書けて当然ではないかしら?それでも書けない貴方は――」

「お、落ち着いて舞ちゃん!」

 流石に見かねた比企谷が間にわって止めに入った。言われた舞浜は数回深い息を吐いて何とか落ち着いた様子だ。矢継ぎ早に言われた川崎なんかもう意識無いんじゃないかってくらいフラフラしてるよ?
 このままではまずいな。主に川崎の体調が。ここは一旦コイツらを引き剥がすのが得策だろう。

「明日までに書いてきてもらえばいいんじゃねぇの?」

 俺は比企谷に目配せすると比企谷は俺の意図を汲み取ってくれたのかどうか定かではないが頷いてくれた。すると唐突に手を叩いた。

「それじゃ、大志くんは明日までに作文書いて来るってことでっ、じゃねー」

 そう言って比企谷は俺の方を見て顎で入り口の方をクイックイッ指してくる。こいつ、ほぼ初対面なのに顎で使いますか。しかしそんなことよりもそのサインだけじゃあ何をしてほしいのかわからないよぅ。
 少しの間比企谷を見ていると俺に視線を向ける前に川崎にも目を向けていることに気付いた。どうやら川崎の事を連れて行けという事の様だ。いや、行きたくないんだけど?タルいし。だけどまぁ今の舞浜の相手をするのはもっと嫌だな。そもそもろくに話したこと無い相手と一緒に居たくないしね。それは川崎も一緒か。まぁそれに高校生活において男子と女子はそれぞれ別離されるのが世の常だ。男子と女子が混ざるのはDQNの方々位だろう。流石に偏見か?
 そんな事はどうでもいいからさっさと川崎を連れていくことにした。

「行くぞ。てか出てけ」

 俺が川崎の背中をく叩くと、その抜け殻のような人物はゆっくりと頷いてフラフラな足取りで入り口を目指した。軽まぁ川崎を帰したんだからどんな方法でも問題ないよね?
 川崎が無事に部屋を出るのを確認した俺は視線を二人へと戻した。
 舞浜も大分落ち着いた様でいつもの冷静さを取り戻したように見える。といっても普段の舞浜がどんなやつか知らないけどな。
 俺は頬杖を突いて二人の会話に耳を傾けることにした。

「ごめんなさい。さ
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