結局のところ鷹巣隆也はわからない
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に書かれた転という文字の上にチョークで大きなばってんを書いてこちらに向き直った。
「最初に起承転結にしなさいと言ったけれども高校生に求められるような作文に転の部分はいらないわ。そういった構成を序破急なんて言ったりもするわね」
「最近はアニメの映画のタイトルにもなったりしたな」
逃げちゃダメだで有名なあの作品ですね。
他にもオープニングとか超有名。
一人脳内でオープニングを流していると舞浜の補足が加わる。
「一応転の部分は文章を書く上でとても重要な部分なのだけれども、話を転じさせないといけないから難しい部分でもあるのよ。大学入試や就職でもそこまでは求められないそうだからここでは書かないということにさせてもらうわ」
舞浜のわかりやすい説明に比企谷と大志が頷く。
実際文章を書く上ではそこまで重要ではないが現代文なんかで話を読むときはこの転の部分が結構重要だったりする。これマメな。
舞浜が咳払いをすると僅かに緊張感が辺りを包んだ。
「最後になるけれども結は文字通り結論を書くところね。今までの事を踏まえて最初に書いた結論をまた書けば良いと思うわ」
舞浜は説明を終えるとチョークを置いた。
「以上で終わりよ、何か質問は?」
舞浜が言ったのは良いが、誰も手を挙げたりはしなかった。まぁこの手の講義全般に言えることだがその辺の高校生がわざわざ質問を持つほど真面目に聞くような事はほとんどない。ただ何となくしか聞いてないのだから仕方が無いと言えば仕方が無い。俺だってろくに聞いてないからな。しかし、今回に限っては問題がある。大志自身が作文を書けるようにならなくてはいけない。ただ何となく聞いてもらっては困る。実際どれくらい頭に入ってるか確認する必要があるな。
しかし、その心配は杞憂だった様で舞浜が言い放った。
「それでは早速書いてもらおうかしら」
そう言って彼女は席に着いた。
相手の事を想っての言動なのかそれともたど意地が悪いだけなのか分からないがその笑顔には何かしらの意味が有るように感じる。大志もそれを感じたのか体を少し緊張させた。
最初は渋り気味の表情だったが程なくして諦めたような溜め息を吐いた。鞄からシャーペンと原稿用紙を取りだし、机の上に広げる。ペンを手に取り原稿用紙と向かい合った。まず始めに名前を書く。こいつの名前川崎って言うんだな。知らなかったぜ!それから2分ほど、特に大志改め川崎は特に動く様子を見せなかった。
秒針はとどまることなくカチッカチッと音を鳴らしている。その状況に堪えかねた舞浜が思いきり机の上を叩いた。
「さっさと書きなさいよ!」
「えぇ!?」
舞浜とは思えない口調に俺は返す驚きの声を上げた。
声の主に視線を向けると結構本気でイラつ
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