結局のところ鷹巣隆也はわからない
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もんねー」
それきり俺たちの間に会話は無く、そのまま部室にたどり着いた。
前を歩いていた比企谷が教室のドアを勢いよく開けた。
「舞ちゃん、やっはろー!」
え?またヤッハ・ローさん出てきちゃうの?
比企谷が謎の挨拶をすると、舞浜も挨拶を返す。
「こんにちは、比企谷さん」
よかったよ、普通の挨拶で。あの謎の挨拶が流行ってたらどうしようかと思ったよ。
挨拶を終えた舞浜は今度は俺のほうを見た。
「それと、鷹巣君もこんにちは」
笑顔で挨拶する舞浜に不覚にも見惚れてしまった。そんな経験が滅多に無いものだから
反応に困ってしまう。
「うす」
やっとの思いで声を絞り出しお辞儀代わりに首だけを僅かに下げた。
そんな無下な反応でも彼女は悪い顔ひとつせずに微笑んでいる。その対応にどこか薄ら寒い物を感じ僅かに身を強ばらせた。だからといって特別何かするわけでもない。比企谷が昨日と同じ席に座るのを確そ認してから俺も昨日と同じ席に座った。
それ以降は昨日と変わらない時間が過ぎていった。
比企谷が頬杖をつきながらスマホを弄り、舞浜は静かに読書する。昨日までの俺だったらこんな時間は手持ち無沙汰だったが今日は違う。実はこんなことになるかと思って俺も文庫本を持ってきたのだ。まぁ文庫本と言ってもラノベなんだけどね、はい。
俺は鞄から取り出した本を机に広げ、頬杖をつきながらページをひらりと捲った。
この本には見た目が100%、見た目がよければ人生イージーモードなんて書描かれている。まぁ確かに見た目がよければ人生はイージーモードだと思う。実際美男美女だったらその気になれば結婚して養って貰うことくらい出来るような気がする。悲しいことに俺のルックスでは養って貰うどころか俺が養わないといけないまであるかもしれない。嫌だなぁ……。
俺が結婚意欲を下げていると不意に二人の少女が視界に入った。
この二人も見た目は間違いなく良いので人生イージーモードなのではないだろうか。その点俺はと言えば話すのも億劫になるような見た目だ。
いやね、確かにイケメンでは無いけどもそこまで悪くは無いと思うよ?顔はそこそこ整ってるしこのそこまで長くない黒髪も駄目では無いはずだ。しかしまぁ他の二人と比べるとどうしても埋めようのない差が有ることを認識させられてしまう。
まぁそれほどまでに見た目が良い二人でも誰かと付き合っているリア充って事は無いだろう、多分、知らないけど。
この事から見た目が良くてもそれが全てでは無いことがお分かりいただけるだろう。
だから俺は見た目が全てだなんて思わない。
はてさて、彼女たちの中身は一体どうなってるのか。いや、変な意味じゃないからね?
そんなことを考えながら本をペラペラ読み進
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