暁 〜小説投稿サイト〜
結局のところ俺の青春ラブコメはまちがっている
結局のところ鷹巣隆也はわからない
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っきは取り乱してしまって」

「そんなの全然気にしなくていいよ。まぁちょっとはびっくりしたけど」

 比企谷の言葉に舞浜は申し訳なさそうにうつむいた。こうして彼女の事を見ていると本当に分からなくなってしまう。いや、そもそも誰かの事を理解するなんて出来っこないから分からないなら分からないで構わない。普段なら特別知りたいだなんて感情を持つことは無いのだ、別に興味なんて無いからな。だけど、彼女にはそれを知りたいと思わせるような不思議な魅力があった。その原因が何なのかはハッキリとしない。俺はその理由を見せる顔のギャップが大きいからという理由で無理矢理納得させた。事実彼女が見せた顔はどれもこれもバラバラだ。最初は物静かな奴かと思えば悪戯した後のような笑顔も見せる。ともすれば突然暴君が如き顔も見せる。では一体、本当の彼女はどれなのだろうか。

「今日はそろそろ終わろっか」

 答えが見つからないような問いを考えていると比企谷がそう言って確認のため俺たちに目配せした。その表情は心なしか疲れが滲んでいる気がする。

「そうだな、早く家帰りたいし」

 俺の言葉に比企谷が呆れたようにため息を吐いた。

「舞ちゃんもそれでいい?」

 比企谷の質問に舞浜は無言でうなずいた。その様子を確認した比企谷は「よし」と立ち上がった。

「それじゃ、本日の奉仕部終了!」

 比企谷はそう言って謎のポーズをとった。おい、そのネタは伝わらんだろ特に舞浜には、どこの生徒会だよ!
 事実舞浜は小首を傾げている。このままではいつまでたっても帰れないだろう。
 俺は足元に置いておいた鞄を手に取って立ち上がった。

「じゃ」

 俺はそれだけを言って部屋を後にした。
 ぼーっと廊下を歩いていると後ろから扉の開く音がしたので後ろを振り返る。そこには予想通り舞浜と比企谷が居た。

「それじゃ、私は鍵返しに行くから」

 比企谷はそう言って職員室へと駆け足で向かっていった。
 廊下は走ってはいけません!等というどうでもいい事を考えながら俺はまた前を向いて歩き始める。
 歩いていると俺とは違う誰かの足音が聞こえてくる。確認はしていないが舞浜のものであると思われる。別に彼女をと一緒に帰る理由もない、ならばわざわざ後ろを振り返る理由もなかろう。

「ねぇ」

 後ろから声が聞こえ立ち止まり振り返る。この場には他に人は居ない。ならば誰が声をかけたのか。また、誰に向かって声をかけているのかも明白だ。
 舞浜とはおよそ5、6歩位の距離が空いている。その距離を一歩一歩詰め寄って来る毎に強くなる妙な緊張感に堪らず生唾を飲んだ。
 俺と舞浜の距離に大して差はない。直ぐに俺の元まで追い付いた。俺の隣に着いた彼女はピタリと立ち止まり俺を見る。そして俺の
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