第4章
停止教室のヴァンパイア
第87話 授業参観、始まります!
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「………」
俺は頬杖を突いて、窓の外をイラつきながら睨む。
イラつきの原因は、あの白龍皇、ヴァーリが口にしかけた言葉だ。
「過去の赤龍帝の周りでは不幸になった者が多く存在した。案外、君達の両親の事故も…」
一応、最後まで言わせなかったし、本人が戯れ言と言う様に、あの言葉はちょっとした冗談だったんだろう。
だが、冗談だろうと、何だろうと、やはり腹が立つ事には変わりない。
しかも、奴の言葉を真に受けたイッセーが「……なあ、明日夏、あいつが言ってた事って…」なんて気にする始末だ。
とりあえず、「真に受けんな、バカ」と言ってやって、軽く殴ってやった。
が、あの様子じゃ、まだ気にしてそうだったな。
後で念入りに強く言っておくか。
ちなみに、件のイッセーは保健室にいる。
白龍皇に面と向かって会ったせいで、ドラゴンになっている左腕が白龍皇の気に当てられてしまった為にドラゴンの腕に戻りかけたからだ。
授業中に吸い出してもらう訳にもいかないし、ドレイクが白龍皇の気に当てられただけの一時的な物だから時間が経てば収まると言うので、それまでは保健室で休んでる事になった。
「ふぅ…」
『ずいぶん、イラついてるなぁ♪』
不貞腐れてるとドレイクが話し掛けてきた。
(……なんの用だよ?)
『そんなにカッカしてると、ハゲるぜぇ♪』
(ほっとけ)
このイライラしてる時にこいつの声は聞きたくなかったな。
いや、イライラしてるからこそ、話し掛けてきのだろう。
……辟易する俺の様子を楽しむ為に…。
「はぁ…」
『ため息すると、幸せが逃げるぜぇ♪』
「……うるせぇ…」
……勘弁してくれぇ…。
この際、無視を決め込もう。
何か言ってきているが、もう無視だ。
「お〜い、明日夏」
「ん、なんだよ?」
今度は松田と元浜が話し掛けてきた。
「公開授業なんだが…」
「お前ん所は冬夜さんと千春さんが来るのか?」
う、さらに嫌な事を思い出させるなよ…。
ちなみに当然、松田と元浜は兄貴達とも交流はある。
っと言うか、兄貴はイッセーを含めた三人の家庭教師をやってたしな。
「まあな。イッセーん所も、おじさん、おばさんが来るらしい。アーシアを観にな」
イッセー曰く、相当テンションが上がっているらしい。
「あ〜、分かる。アーシアちゃんみたいな娘が是が非でも見に来たくなっちゃうよな!」
松田と元浜もテンションを上げて同意していた。
「ちなみに聞くが?」
「冬夜さんと千春さん、どっちがお前ん所に来るんだ?」
二人が真剣な表情で聞いてくる。
「……去年は兄貴だったから、姉貴が来るだろうな」
兄貴達は俺と千秋は学年が違うから、ローテーションで片方が片方を観る様にしていた。
『よっしゃー!』
松田と元浜が歓喜の声をあげる。
授業を観に来る保護者
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