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英雄は誰がために立つ
Life3 ついでに、アザゼル再臨
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 「なんですか?」
 「私は所謂、私服刑事何だが、話を聞いて欲しい。“彼ら”の視線が、君たちのお連れさんに向いている今がチャンスなんだ・・・!」

 いきなり警察手帳を背広の内ポケットから取り出した男性は、少々焦りながら3人に向けて話し出した。


 −Interlude−


 時刻は14時ごろ、士郎と切嗣は会議を終えて挨拶を一通りに済ませた後に帰宅するところだった。

 「すまなかったね、士郎。お前もみんなの買い物に、付き合いたかっただろうに」
 「構わないさ。それに、いずれは通る道なんだ。早い事に越したことはない」
 「すいません、切嗣殿!士郎君!少し、お時間頂けませんか?」

 そんな時、階段で二階まで下りてきた処で塚田警視監に呼び止められた。

 「塚田警視監?如何したんですか?」
 「少々、込み合った話があるんですが、そちらの部屋でお話しできませんか?」

 2人は最低限の警戒をしながら、誘導された部屋に入ると、込み合った話だと言うのに5人ほどの警察官がいた。

 「これは如何いう事ですか?」
 「まっ、待ってください!我々は別に、藤村組(・・・)と争う気は無いんですから!」

 切嗣の訝しむ瞳に気圧されながらも、ワケを説明しだす塚田警視監。

 「藤村組・・・・・・・・・と言う事は、身内の恥・・・と言った処ですか?」
 「士郎、何を?」

 塚田警視監の言葉の一部から、瞬時に事態を予想出来た士郎。

 「士郎君は、まだ学生の身だというのに、恐ろしい程の洞察力を持っているんだね?」
 「褒めても何も出ませんよ?それより、身内の恥なんですね?」
 「ああ。お察しの通り、未だに君たち藤村組を目の敵にしている警察官が居る事は予想出来ていてだろ?しかし、“相応の処分を受けた元警察官たち(奴ら)”の二の舞になるまいと鳴りを潜めていた様なんだが、また彼らが行動を起こそうとしていたのさ」
 「それを事前に察知した塚田警視監が、信頼できる刑事さん方を集めて対応をしてきたと言う事なんですね?」

 その通りですと、切嗣に頷く塚田警視監。
 警察と言う職種は治安維持のための組織故、人によっては傲慢になりやすく、市民からは嫌われやすくもある公務員だ。
 そのため、人気だけを掻っ攫うような藤村組をよく思っていない警察官は、多かれ少なかれ存在していた。
 しかし、それを実行に移そうと考えるものなど皆無だったし、その様な事を気にせずに職務に励む警察官も大勢いた。昨今では、一部の犯罪に手を染めた元警察官のせいで、厳しい声も上がっているが。
 だがしかし、何かのはずみで着いた火種は燻り続けて、それが大火となって数年前の事件を起こしたのだ。

 「そして彼らは今日、実行する気です。あなた
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