第一一話「超人を唸らすただの人間」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きょとんとした顔をしているキンジに呆れるジーサード。どうやらそれほどのビックネームだということには気づいたが、キンジにはそのような名前など聞き覚えがない。
「マジかよ……。カミジョウトウマっていや第三次世界大戦にグレムリンの一件の中心人物だぞ」
「はぁ?」
ジーサードが言い出した言葉に素っ頓狂な声を出してしまうキンジ。第三次世界大戦、グレムリンの一件。どれもここ最近で起こった、歴史に名の残るような大事件である。それくらいはニュースで聞いたり映像を見たことがあるが、それの中心人物だと言うのだろうか。このツンツン髪の少年が?
「………………あっ」
困惑するキンジに続いて素っ頓狂な声を上げたのはアリアだった。
「思い出した……!どこかで聞いたことがあると思ったんだけど……英国でのブリテン・ザ・ハロウィンにも関わってたんじゃ」
ブリテン・ザ・ハロウィン。アリアの故郷イギリスで起こった第二王女キャーリサと英国の三派閥の内の一つ騎士派によるクーデター事件。ちょうど、キンジたちがジーサードの一件でゴタゴタしていた頃の出来事で、これも後世の歴史に名を残しそうな大事件である。
「その通りよ」
その答えを言ったのは沈黙を貫いていたはずのカナであった。一同の視線がカナに移る。
「そこに載っている「絶対能力進化」計画を、学園都市最強の能力者「一方通行」と相対して敗北させることで頓挫させたのも彼。ブリテン・ザ・ハロウィンにおいて王室派や清教派と場の収集に尽力したのも彼。第三次世界大戦の裏で動いていた黒幕に突っ込んで行ったのも、グレムリンの一件に深く関わり、そして六十億人を相手にして魔神オティヌスの罪を全うに清算させるために闘ったのも彼よ」
「あー!!」
ここまで来て叫んだのは理子だ。例の「上条当麻」の写真を見ながら、奇声を発している。
「そういやこの子、確かデンマークの一件に映っていた、ツンツン髪の少年じゃん!」
そして聞き逃せない一言を発した。
反射的に資料の中の彼の写真を見やるキンジ。確かに、その出で立ちはあのデンマークにて魔神という1人の六十億人に押しつぶされそうになっている少女の自殺を叱咤し、救おうとした者の姿と似ていた。
「ほんとだ……なんで気づかなかったんだろう……」
「……」
白雪やレキもそのことに気づいたらしく、絶句しているのがよく分かる。
「こいつ……そんなに凄い力を持った能力者なのか?」
「「幻想殺し」って言ってな」
キンジが漏らした一言を拾い上げるジーサード。視線は再びジーサードへと集まる。
「どうやら、右手のひらに触れたあらゆる異能の力を打ち消す能力を持つらしい。超能力も、超能力も、魔術も、顕現装置によって再
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ