暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第一一話「超人を唸らすただの人間」
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処する能力者への作戦等は後々立てるつもりですが……別にいいですけれども、どうしてなのですか?」
「なに、こいつとはちょっとした因縁があってよ」

 飄々と話すジーサードだが、キンジは、彼の目が生き生きとしていることに気づく。ジーサードが相対するのを楽しみにしていることがまじまじと分かる反応だった。ジーサードをそれほどまでに反応させる相手ということになる。となると因縁という言葉が気になるが──。

「なんだよ。因縁って」
「なーに。兄貴が知るようなことじゃねーよ」

 やはりはぐらかされた。まあこの男のことだから「以前闘った因縁」とか「闘ってみたい相手」とかそんなところなんであろう。

「分かりました。では、これより学園都市の超能力者、レベル5についての説明に移させていただきます。まずはお手元の資料の──」







3,







「──本当に無茶苦茶ね」

 レベル5の個々の能力。それを聞いた一同の感想を代弁するかのようにアリアが呟いた。

「物理法則を曲げちゃうのが最低でも2人。10億ボルトの電流を操るのが人が1人。装甲を貫く破壊兵器をバンバン撃っちゃう人が1人。原理不明の能力を操るのが2人……。こりゃーいくらなんでも詰んでない?こっちはキーくんやカナがいるとはいえ」

 物理法則を曲げるだなんてのがいるだけでも、キンジたちの予測を超えている。

 確かに相手はただの人間だ。今まで通り殴れば血も出るだろうし、銃で撃たれたら血だって出るはずだ。

 が、そこまでのプロセスが難しすぎる。『一方通行』の能力者などはあらゆる攻撃、あらゆる自身の運動を能力でどうこうしてきたからか打たれ弱いことが指摘されたが、そこまで辿り着く方法が不明だ。資料には、これまで彼らと闘った者たちが対処した方法も記されていたが、ぶっちゃけキンジに使えそうな方法はないに等しい。

 レベル5。キンジはこの者たちとどう相対するかで、この依頼の成功か失敗かが決まると思っていた。

「あ、私から一ついい?」

 思考の渦の中で、金女の声が聞こえた。どうやらエレンのうなづきという承諾を得た彼女は、その口からキンジの思考の中から消えていた「とある名」を出す。

「カミジョウトウマって……あのカミジョウトウマ?」

 上条当麻。レベル5以外で唯一の保護対象者。未だにエレンの口から説明がされておらず、ヨーロッパ武偵連盟が「一番の重要人物」としていた少年。

「あのって……有名人かなんかなのかそいつ」

 ここでキンジは真っ当な疑問をしたはずだった……が、周りの反応(バスカービルのメンバー以外)から、この質問が場違いな物だったということに気づいた。

「おいおい知らねえとは言わせねぇぞ兄貴」

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