第一一話「超人を唸らすただの人間」
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バーも共にいる。平賀文、中空知美咲は現在アリアがチェックインしたホテルの3室の中の1つで待機しており、ジャンヌ・ダルク30世、エル・ワトソンは戦闘に不向きな彼女たちの安全を確保するため残っている。武藤と不知火は事情があって、現在は学園都市を脱出し武偵校へと帰還していた。
キンジたちがこの壁の向こう側にある物に用があるのは、もちろん学園都市におけるレベル5+αの「保護」に関係することである。
デウス・エクス・マキナ・インダストリー。それぞれの頭文字を取り、通称DEM社と呼ばれる大企業の学園都市研究技術局が、ここに建てられている。キンジたちはこの中に用があるのだ。
DEM社は様々な分野を手掛けており、その中でも顕現装置と呼ばれる「科学技術を持って「魔法」を再現する技術」においてはシェアの大半をこの会社が握っており、各国の軍部にも提供されているという話だ。
そして、今回の依頼においてはヨーロッパ武偵連盟と共に依頼主として重要な意味を成しているのである。
ヨーロッパ武偵連盟とDEM社から東京武偵校へとされた依頼。
その依頼の詳細な説明をDEM社が学園都市の支部にて行うので、依頼を受注したそれぞれの代表者がここに集まってということである。
相手は学園都市。国家規模の力を持つ都市である。そのため外部よりいくつかの組織が依頼を受注したとキンジたちは聞いていた。
守衛門にて頭と体にゴテゴテのアーマーを着た守衛に近づいていく。警戒したような雰囲気を醸し出していた守衛だったが、すぐさまアリアが昨日のうちに武偵手帳とここに来た旨を伝えると、守衛は警戒を解いてくれた。
「なーんかすっごい物つけてるけど、なんなのそれ?」
彼らが頭につけているラグビーボールのような機械が気になったのか、理子がまじまじと見る。頭頂部と目を完全に隠したその機械は、学園都市に住んでいないキンジたちにとって、もちろん異様なものだった。こんなのが街にいれば目立つのは間違いないだろう。
「悪いね。企業秘密だ」
「えー。ケチー」
つっけんどんに答えた守衛に対し口を尖がらせる理子。彼らにも「守秘義務」というものがあると考えればあたりまえの反応だが、理子は気に入らなかったらしい。
「ま、いいや。その……エレンさんだっけ?に聞けばいいし」
理子が名前を口にしたのと、その名前の人物がアリアたちの目の前に現れたのは、単なる偶然なのだろう。
ノルディックブロンドの長髪にスーツを着こなした「大人の女性」を絵に描いたような女性は周りにいた守衛が目にした瞬間、起立の姿勢になったことから、恐らく相当この企業においては重要な地位についている人物なのであろう。
キビキビとした態度でキンジたちに礼をした
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