産まれた
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気が付いたら赤ん坊でした。・・・・・・・どういうことなんだ。なぜ赤ん坊なんだ、なぜ自我があるんだ
落ち着け・・・一旦落ち着いて状況整理だ。まず俺は誰だと言いたいが何も覚えてない。自分の事は分らんが一般常識はあるみたいだ。
とりあえず周りを見てみた所、何か・・・・・薬品臭い・・・パッと見たところ周りにはテレビや洗面台、窓が見える。あとスライド式のドアがある。それと俺は今抱かれているようだ、壊れ物を扱うように優しく抱いている。顔を見てみたらスゲー美人。服装はパジャマみたいなのを着ていて、髪型は黒の前髪ぱっつんのロングヘアー、まるで人形みたい。笑顔で俺を愛おしそうに見ている。俺の母親なのかもしれない。自分が赤ん坊なのと、この閉鎖空間を考えると、もしかしたら病院なのかもしれない。他にベッドはないし個室部屋のようだ。
勢いよくスライドする音がした。誰かが来たようだ
「すまない虎姫、遅れた!」
男の声だ、この状況から察するに今抱いている人の夫なのだろうか。息切れしていて顔中汗まみれ走って来たようだ
髪型は黒の短髪で男前だね服装はスーツ姿。女性の名前は虎姫か・・・・姫は分かるが虎って女性に名づける名ではないような気がするが・・・・・・てか病院で走ったらダメだろ。
俺の母親らしい人は夫らしき人に微笑んだ
「お気になさらないでください弘さん。お仕事なのですから、仕方ないですし。後、病院なんですから、走ってはいけませんよ」
男の名前は弘と言う名前みたいだ、母親らしき人は笑顔だったがどこか落胆したような顔だ。弘さんは注意されてどこか居心地が悪そうにして すまない、と頭を下げ謝った。二重の意味が込められてるなこれは
「一世一代かもしれない我が子の出産場面に立ち会えなかったのだ・・・・・・責められても文句は言えん」
悔しそうに唇をかみしめ手に力を込めて弘さんが言う。まぁ、仕方ないよな仕事だしまた子供作れば出産場面に立ち会えるでしょ。・・・・・・そういう問題じゃないか
「もう産んでしまったのですから、また次子供が出来たときは、間に合ってくださいね?」
顔を赤らめて弘さんに笑顔で言うとか。羨ましすぎる。俺もいつかは虎姫さんのような大和撫子な妻を、いや女を侍らすさ!!彰さんはこっちに近づきながら、ああ、次は間に合うさと言いベッドの隣にあるパイプ椅子に腰を落とした。虎姫さんは抱いていた俺を弘さんに見せた
「弘さん、私たちの子ですよ、抱いてみてください」
虎姫さんはニコニコしながら俺を弘さんに差し出した。弘さんは最初戸惑ったが、恐る恐る俺の体を触り、左腕で俺の体を包むようにして。右腕で落ちないように俺の腰に右腕を当てている。弘さんの顔を見るとさっきまで厳格な雰囲気を醸し出していたが、俺を抱いてから急ににへらに
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