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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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「あー、これは・・・ちょっとマズいかも」
「結構呑気だね、兄さん!」
蚩尤の力を完全にひょうすべのものに書き換えられた一輝は呆然とするが、湖札はそんなことは気にもせずに攻撃を仕掛ける。
怪力をもつかみ、天逆毎の力で攻撃を受ければまず間違いなく無事では済まないが・・・一輝は手を翼のように羽ばたかせ、空を飛ぶ。
先ほど湖札も語っていたように、ひょうすべとは河童が秋になると山に登る姿とされている。彼らはその際、毛の色が変わってから群れで集まり・・・飛んで、山に向かう。それゆえに一輝は飛ぶことができているのだ。
「いやまあ、実はそこまで呑気なわけでもないんだけどな。実は結構焦ってる」
「そうは見えないんだけど?」
「そう装わないと、まず負けるからなぁ」
そうつぶやいた一輝は空間倉庫を開き、そこから二つの巨大な密閉容器を取り出し、それから火炎放射器を取り出した。
湖札はそのわけのわからない組み合わせに首をかしげたが・・・その入れ物の大きさが大きい方が小さい方の二倍であることから、一つの仮説を立てる。自分で思いついたことにいやまさか・・・と考えるが、すぐに考えを変えた。この兄ならやりかねない、と。
「・・・ねえ兄さん、それはさすがにないんじゃないかな?」
「いやいや、このレベルの戦いなら十分にありだって」
「いやでもそれ、体積結構あるよね?圧力が標準値だったとしても、小さい方四モルはない?」
「うんうん、大丈夫。圧力二十倍くらいの、メイドイン箱庭だから」
すっごくいい笑顔でそう言った瞬間に、湖札は走り出す。さすがに無茶苦茶だと思うが、それが妹に対してやることかと思うが、しかしあの兄であり、これは殺し合いなのだ。やるといっている以上、本当にやるだろう。なら、止まった瞬間に終わる。
そうして走り回る湖札に対して、一輝は密閉容器の中身を混ぜ合わせながら追わせる。彼の持つギフト、“無形物を総べるもの”によって、大量の空気を・・・存在比一対二の酸素と水素で、湖札を覆おうとする。
その追いかけっこは、勿論ながら一輝がかった。どれだけ頑張っても速さには限界がある湖札に対して、一輝の操る空気には速度の限界がない。どこまで無茶苦茶なのかという話なのだが、速さにも形はないのだから。
「あ、あははー・・・マジ?」
「うん、マジ」
完全におおわれた湖札はかなりひきつった笑みで兄に尋ねるも、その兄はさっきよりもさらにいい笑顔で火炎放射器から炎を放つ。勿論ながらそれにも形はないので、勢いよく湖札を覆う
酸素と水素
(
超特大の爆弾
)
に着火され・・・水素爆発。
当事者二人以外の全員が耳をふさぎ座り込む中、一輝はその爆発によって作られた水を槍状にして湖札がいた場所を襲わせ、
「うーん、この感じだと・・・仕留めれてない、かな」
「ま
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