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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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ければ引き起こされる問題がある。それ故に、彼らの一族が死なないよう加護を与える。

《それに、その仮定が事実であるなら他にも納得できることがある。あの二人が同じ名称の疑似創星図を発動した点》

今回、起動の言葉こそ違ったものの同じ名称の疑似創星図をあの二人は使用した。その特性上同じものの担い手が複数存在するはずがない。であれば、あの光景は何だったのか・・・

《彼らが、世界の求める存在・・・英雄の一族(・・・・・)であるのなら、そこで生きる強者がそれぞれ固有の宇宙観を作り出したとしても、可能性がないわけじゃない。自分自身を守りたい世界が、その程度のことを受け入れないわけがない》

であれば彼らが英雄なのかと考える。確かにそれなら、あの契約書類にも納得することができる。民に知られることがなく、力を持つがゆえに迫害されてきた英雄の一族。ではそうなのかと考え、そこでリンは新たな疑問にぶつかる。

《でもそれなら、なんで彼らは『外道』だと名乗るの?自分自身の霊格を開放する主催者権限(ホストマスター)の発動。その際に名乗るのは本来のものであるはずなのに、彼らは自らのことを『悪』であり、『外道』であると名乗った。それなら、それもまた真の立場であるはず》

一つ解決したと思えばまた新たに矛盾が生まれる。あまりにも複雑な事情があるからといって難しく考えすぎてしまっているリンは終わりのない思考にはまりそうになるが、画面の中の一輝がゲーム盤を解除しようとしているのを見て、思考を一時停止する。
彼を相手にする以上彼の主催者権限を打ち破るすべを考えるのは必須事項だが、今最も重要なのはジンとペストをさらったということに気付かれる前に全員で立ち去ること。何人か協力してくれそうなものがいるとはいえ、敵側の人間を頼るわけにもいかないだろう。
頬を軽くたたいて意識を切り替えると、ちょうどゲーム盤の中にいた人たちが外に出てくる。

「ん?オマエは・・・」
「ウチのメンバーだ。ちょっと仕事があったから間に合わなかったんだが・・・うまくいったのか?」
「うん。首尾よく行けたよ」
「そうか」

言葉を濁してジンとペストの勧誘が終わったという報告を終えると、リンはそのまま一輝の方を見る。

「あー、そうなっちゃいましたか」
「見ての通りだ。・・・ゲームのルール通り、湖札はこっちでもらうぞ」
「互いに了承してのギフトゲームで決まっちゃった以上、変えるのは無理ですよ。・・・どうするの殿下、戦力大幅にダウンしちゃったよ?」
「これまで通りに伸ばしていくしかないだろ。予定通りに魔王ぶちのめして引き込む。これだけだ」

何とも物騒なことを言っている二人に周りの人間は黙ってしまうが、そんなこと気にもしないで全員が窓際に集まる。

「それでは皆様方、我
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