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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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える。相手の剣とかそういうたぐいの技術によって殺せないならその技術が弱くなる。そうやって無理やりにでも下げるんだって。最低でも五分五分までは」
「「何それ笑えない」」

ごもっともである。

「じゃあ、あの特殊な主催者権限も?」
「その辺りが具現化されてるんだろうね。そんな感じの特徴を用いて、他の主催者権限を強制解除して自分のゲームを開催できるんだと思う」

とはいえ、この加護も鬼道であれば誰にでも与えられるものではない。ある程度の力を持つ者にのみ与えられるものなのだが、さすがに情報のかけらもなくこれにたどり着くのは不可能だ。

「まあそういうわけで、その要素の食い合いができる湖札さんくらいしか一輝さんに勝てる可能性はなかったわけですよ」
「その湖札も負けてとられてるけど、どうする気なの?」
「そうだね・・・とりあえずジン君にたくさんの魔王を従えてもらって、いずれは彼自身の主催者権限を使えるようになってもらいたいかな」
「そんなことは可能なの?」
「可能だよ。隷属させて従える、っていうのは立派な功績だし」

そして、挑発とも取れる一言を伝える。

「それで、どうする?もし無理だと思うんならやめるのもありだと思うけど」
「「やるよ/やるわよ」」

が、二人は間をおかずに返した。

「そっち側につくって決めた時点であの人の相手をする覚悟はできてる。むしろどこまで無茶苦茶なのか分かってよかったくらいだ」
「そもそも、ジンは私との契約があるもの。今更変えようとするなら殺してそっち側につくだけよ」
「・・・そっか。それなら、一緒に頑張ろう。そっちの方に向けて一歩進めばちょっとした隠れ家につくから、そこで待っててね」

若干青ざめた様子のジンに笑いそうになるのをこらえながら、リンは自らのギフトを使い二人を移動させる。一仕事終えたといわんばかりに一つ伸びをした彼女は、とても幸せそうな顔で意識を失う湖札と、それを抱きしめこちらも幸せそうな一輝。その二人が映されてテレビを見て、若干の思考に走る。

「・・・湖札さんは最後まで教えてくれなかったけど、世界がそこまで干渉するなんて、ただの人間ではありえない」

勿論、厳密に言えば二代目以降の当主の全員が生まれながらに神霊である、という時点で普通の人間ではないのだが、彼女が言っているのはそういう話ではない。むしろ、相手が神霊であるのならより一層世界が干渉する理由がない。
だがしかし、そんな中で一つだけ世界が過剰に干渉するだろうものが存在する。

《世界がそこまでして勝たせようとする理由が・・・彼らを守ろうとする理由が“自己防衛”であると仮定すれば、全ての辻褄が合う》

即ち、世界もまたただ加護を与えているわけではない。彼らが勝つことに意味があり、彼らが生き残らな
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