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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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「ちょ、ウソォ!?」

勿論ウソなはずもなく、蛇の口から放たれる。
伝承において世界の三分の一を滅ぼすと伝えられてきた閃熱系最強の一撃。終末論の引き金を引く力を召還し、炎熱として扱う恩恵を、一輝は何のためらいもなく使用する。かつてあれほどまでに参加者を苦しめた一撃をなんでもないように放たれているのだが、これはいいのだろうか?

《別にいいんじゃね?》
《私からしたら全然よくない!》

こんな時でも平常運転なんだな、お前たちは・・・もういいけどな、別に。
さて、おふざけは手短に済ませて現状に戻ろう。湖札は自分に向かってきている閃熱を確認すると、すぐさま目の前にいる双頭龍の首をつかみ、その中に投げ込む。これを放った張本人であれば防げたのかもしれないが、分身体程度にそこまで期待するのは酷というものだろう。いともあっさりと蒸発し、新たな分身体は生まれない。
だが、それで攻撃が止まったというわけではない。一切速度も威力も緩めることなく進む一撃。湖札はそれを見据えると、右手で剣を握りしめ、体を限界まで捩じり、刀の腹に左手を添えた。そんな体勢で自分にあたる直前まで動かずにじっと構え、

「燃ゆる全てを薙ぎ払え、草薙の剣!」

覇者の光輪そのものを、切りつける。
草薙の剣は、水神ヤマタノオロチの尾より生まれ、燃えている草を薙ぎ払ったという伝承を持つ刀だ。元々、火に対する影響力は強い。それを全力でぶつけたのだから・・・覇者の光輪が完全に消えている現状も、当然といえるだろう。
ひとまずの成功にホッと息をつく暇もなくこんな無茶苦茶を行った張本人を警戒する湖札だが、一輝がいたはずの場所には、もう彼はいなかった。

「どこに、」
「残念、覇者の光輪はただの(おとり)だ!」

あわてて周囲を探そうとするも、その時にはすでに真横まで迫っていた。湖札はガードをかませることもできず、その蹴りをもろに受けた。思い切り勢いを付け、さらに全力で放たれた回し蹴り。それによって湖札はぶっ飛ばされ、大木にきれいな穴をあけたと思ったら塀を壊してその中に埋まった。

「ふぅ・・・よし、一撃入れた」
「普通、たった一撃入れるために使うものじゃないよね、それ・・・!」

清々しい笑みで汗を拭いながらそう言う一輝と、対照的にこめかみに青筋を浮かべて瓦礫を吹き飛ばす湖札。湖札が押していたと思えば、その構図は一気に書き換えられた。

「全く、まさかそんな手で来るとはなぁ・・・それはさすがに想定してなかった」
「だからこそ、俺はこの手段をとったんだよ。普通の攻撃でできそうなのはこれしかなかった、とも言うけどな」
「まあ、確かにね。こっちとしても、これ以上普通の攻撃で行けるとは思えないし・・・千日手じゃ、いずれ観客にも飽きられちゃうし」

湖札はそうい
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