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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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された湖札は一輝めがけて跳ぶ。が、
「今ここに降臨せよ、アジ=ダカーハ!」
「間に合わなかった、か」
その一撃は、ギリギリ解放の間に合った三頭龍の手によって防がれる。
一輝という英傑に撃たれたのち、初めて完全な姿を現した、元人類最終試練。アジ=ダカーハ。湖札は召喚を防げなかったそれをみて、作戦を変更する。それは、兄に使われる前にこの龍を討つ、という無謀にも思える作戦。そのために距離を置いて言霊の弓を構えるが、
「力、よこせ」
『了解した、我が主』
そんな暇もないほどに一瞬で、神成りが完了する。
「うそぉ・・・それはさすがに、ずるくない?」
「残念だったな、召喚以外では言霊がいらないくらいに相性がいいんだよ、外道と絶対悪の霊格は」
弓を構えきることができず中途半端な体制で固まった湖札はそういうが、一輝はそんなこと気にも留めずに初めて使う力を確かめる。
身体的な変化として両の肩から蛇が生えて腕に巻き付き、手の甲に頭が来ているが、動きを阻害することはないので問題なしと判断。他の変化は、急所を守るようにして生えている鱗。これもまた動きを阻害することはなく、防御力を上げているのでよしとする。
つまり、一輝が戦うにおいて問題点は、ない。
「よし・・・んじゃ、やるとするか、湖札」
「アハハー、それはさすがに想定外かなー・・・」
どちらかといえばザッハークに近い姿になって一輝は言うが、湖札はもう苦笑いを漏らすことしかできない。そのまま言霊の弓を消し、距離を置いたのちに刀を構えるのみ。
言霊の弓を使ってアジ=ダカーハを討つとすれば、そこで語るのは伝承の存在としてのものではなく、今目の前にいる兄が従えるもの。箱庭におけるアジ=ダカーハを語らなければならない。しかし、その結果が今の現状なのだ。それを語ろうものなら、より一層強固なつながりが生まれ、兄の力はさらに強いものとなるだろう。ただでさえ低くなった勝率を下げようなどとは、湖札は考えない。
そして・・・そのまま振り返り、二匹の蛇の元まで走る。
「って、ちょ!?ここでスルー!?」
「勝つためにはこれしかないんだから、仕方ない!というか、勝負の最中にこれ以上のリアクションは無理!」
ベー、と少し舌を出して見せた湖札はそのまま走り、一輝は。
「ああ畜生、かわいいじゃねえか!」
「ふっふっふ〜。いろんな国をまわって、いろんな仕草を覚えたからね!ウインクとか超得意だよ!」
「それはいいな!」
なんかもう、どうしようもないくらいシスコンだった。本当にどうしようもないな、こいつ。だがまあ、それでもちゃんと湖札を追ってる辺りまだ救いようがあるかもしれない。
とはいっても、二人にはスタートに差がある。一輝との間に大きく距離をあけた湖札はいまだに取っ組
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