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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 B
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あ、うん。かなり本気で防いだしね・・・」
一輝の問いかけに湖札が答えると、爆心地から風が吹いて視界がクリアになる。その場にいる観客の全員がそこを見ると・・・巫女服こそボロボロになったものの、体には傷一つない湖札がたっている。
「ったく、どうやって今のを防いだんだ?倒せなくても傷くらいつけれたかなー、くらいのつもりでいたってのに」
「超小規模の嵐の結界の中にいました。天逆毎はスサノオの娘なんだよ?」
「なるほど、納得した」
一輝はそう言いながら入れ物と火炎放射器を倉庫の中にしまい、あごに手を当てて考える。
「それにしても、やっぱりただの水や爆発じゃ、負けなくても勝つのは難しいか・・・」
「そう思うんなら、神霊化しないの?」
「あっちについては、この喧嘩に使えそうもないしな。相手も鬼道だし」
一族の力をそのままに相手に使うわけにはいかない、と考えたのだろうか。一輝はそう言ってから改めて考え・・・
「あ、別にまだあるじゃん。神になる手段」
「ちょっと待ってそれは防がせて」
一輝の言葉から何をしようとしているのかは察したのだろう。湖札が思いっきり踏み込んで一輝の元まで跳ぶが、一輝がひょうすべの力を使って真上に飛んだため、空振りに終わる。湖札は一輝のその姿を見て上に跳ぶが、
「さあ、百鬼夜行の始まりだ!」
「ムグッ!?」
大盤振る舞いなことに、一輝が檻の中の妖怪や魔物をすべて召喚したため、降ってきたそれに押し戻される。そしてそのまま、妖怪の山の中に埋まる。力技もいいところだ。
そして、作り出した時間で一輝は・・・さらなる力を、召喚する。
「“我は悪である”。汝はそう、世界に宣言した」
厳かに唱えられた瞬間、一輝の掌に一匹の蜥蜴が現れる。その蜥蜴もまた、ただの蜥蜴ではなく・・・三つの首を持つ、蜥蜴。“ノーネーム”の雑用係として定着してきたその姿は、しかし比べ物にならない霊格を宿している。
「その身の全ては悪を尽くし、倒れし今もその意志に変化はなき絶対悪」
さらに霊格をあらわにすると、蜥蜴は一輝の手を飛び下り、主より放たれる霧を吸い込む。そうして示すのは、かつて箱庭の全土を恐怖に陥れた魔王のそれ。
“絶対悪”として箱庭に顕現し、
人類最終試練
(
ラストエンブリオ
)
として悪の限りを尽くした、最悪の魔王。
「あぁ、あぁ!今こその名を、その悪行の全てを、我らが外道と共にせよ!」
「父なる暴風の神よ、我にその加護を!」
一輝の召喚の言霊が完成しようとした時、湖札もまた練り上げた呪力を用いてさらなる力を使う。天逆毎が持つ数少ないつながり、父スサノオの神力をこの一時だけ使用したのだ。
さすがはスサノオというべきか、たった一度吹き荒れた暴風によってすべての異形は吹き飛ばされ、解放
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