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とある緋弾のソードアート・ライブ
第一〇話「PIS」
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たが、それを書いた作者の名前も、本の題材も内容も覚えていないにも関わらず、それだけは士道は鮮明に思い出せた。

 ──世界は険しくて、敵意や憎悪なんてたくさんあって、でも全部合わせるとちょっぴり善性の方が多いよね、という希望の残る物語。

 やはり──世界は、人は精霊を否定する者よりも、受け入れる者の方が多い……のかもしれない。

 ここにいる彼ら以外にも、きっと。

「そうか…………ありがとう」

 先ほどまでの顔が嘘のような眩しい笑顔を浮かべ、十香はそう言った。





「しかし……「精霊の力を封じ込め尚且つそれを使える力」って、あんた凄いな」
「え、あ、俺?」

 唐突な話題の振りに驚きながらも返事だけはする。

「いや……まぁ」
「上条さんもそういう能力が良かったですなぁ。この右手のせいで不幸だから……」
「何言ってんだぜい。カミやんには「一流フラグ建築士」という最上すぎる能力があるじゃないかにゃー」
「え、何その流れ」

 実際には土御門の前にいる士道も「一流フラグ建築士」と呼ばれるような存在なのだが、1万人近くの少女や魔神なんかとフラグを建てる上条とは格が違うと、土御門はそう理解していた。

「そういやさ」

 と、ここでクラインが1つの口を疑問にした。本人とってはほんの興味本意で発言したことだ。

 タイミング的には「最悪」、とも言えるような質問を。

「精霊の力を封じ込めるっていうけど……どうやって封じ込めてんだ?」

「「「「……」」」」

 場が、沈黙に支配される。

 士道側の人物の大半(美九や七罪など一部除く)が素の表情で黙り込んだ。

「……あれ?俺、なんかマズイこと聞いちゃった?」
「い、いや。大したことじゃないです。大したことじゃ……」

 なぜか急によそよそしくなったメンバーを見て、首を傾げる。

 その答えは場の雰囲気をぶち壊すという代償を伴って帰ってきた。

「接吻よ」
「「「「え?」」」」

 七罪の一言にその場のほとんどのメンバーが固まった。接吻。難しい言い回しだがそれはつまり──。

「……キス、ってこと?」
「そうよ。しかも口付けで」
「おい七罪!?」
「「「「……」」」」

 場の沈黙と視線が一点に集まる。

 自身にまとわりつくような視線を感じた士道は慌てて弁明をした。

「いや、これはだな!」
「……初対面の相手に言うのもあれだが。そりゃーちょっとあれじゃないかにゃー」
「キスって。しかも口付けってさ。こんな可愛い子としかも複数と。罪悪感とかないわけか?」
「ッ……しょうがないだろ!これしか方法がないんだから!」

 ちなみに上条と浜面がこの話題に飛びつかなかったのは、下手
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