第一〇話「PIS」
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きを見た琴里は、その口から精霊についてのことを語り出したのだった。
「──つまり精霊っていうのは絶大な戦闘力を持っていて、こっちの世界に来る時に空間震を起こすってこと?」
「そういうことよ」
「ふーん」
「へー」
「そうなのか」
「………………………………って、それだけ?」
インデックスの確認にうなづいた琴里だったが、その後のメンバーのあっさりしすぎた反応に少し驚きを感じ得てしまった。説明が終わった後に帰ってきた返事が返事だけに、士道や十香たちも目を白黒している。
「え……いや。なんか深刻そうな顔してたし、もっとめちゃくちゃな話が来ると思っていたから……」
「ま、多少驚いたけど」
次に帰ってきた返事に、琴里たちは本当に驚いた。「多少」?この話に得る驚きが多少なのか?
「べーつにそんな否定なんかするわけないにゃー。ってか、多分俺の知り合いなら否定する方が少なくないと思うぜい」
「青髪の奴なんか絶対歓喜するだろうしな」
「ほらな?見たことか」と言わんばかりのオティヌスの顔を見ながら、今度はキリトたちの方に目を向ける琴里。
「うーん……なんかいきなり現実に「魔法」があるだの、「精霊」がいるだの言われて……頭が混乱しているのかなぁ」
力無い笑みを浮かべながら、それでもキリトは、はっきりと言い放った。
「けど……別にそんなのでお前らを否定とかしないよ。なぁ?」
「うん。そうよね」
「まぁねー」
「お兄ちゃんが言う通り、実感湧かないしね……」
「空間震も、起こしたくて起こしてないんだったら、十香さんたちに非はないですよ」
「ま!美少女だしな!」
最後のクラインの言葉に隣にいたリズベットからのチョップが入ったのは言うまでもない。
「ま、俺っちも青髪ほどじゃにゃいが、包容力はある方だぜい。義妹ならなお可だぜい!」
この時の彼の唯一の失敗は、「義妹ならなお可」という言葉に僅かながらに反応した士道、琴里、キリト、リーファのことを見逃したことだろう。
「──ともかく……本当に」
「うん」
琴里の確認を遮るかのように答えを出したのはインデックスだった。
「それに、別にそんなことで私はとおかたちのことを嫌いになったりしないよ」
最後の言葉が、トドメだった。
「──本当か?」
「本当だよ」
初めは純白のシスター服を着たインデックスから。
「本当ですか?」
「本当」
次は僅かに微笑みを浮かべながら滝壺が。
「本当に?」
『本当です!』
最後は机に置かれたキリトの携帯の中から。
彼女たちを見ながら、士道は以前どこかで読んだ小説の一文を思い出した。正確には後書きで、作者が述べた一文だっ
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