第一〇話「PIS」
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るでしょ?」
「あ、はい」
「なら大丈夫だ。いやーキリトくんのSAO時代のデータを復元するのにはかなり時間がかかったよ」
何でもないようにとんでもないことをさらりと言う白衣の女性にキリトは驚きを隠せないでいた。
と言っても、学園都市やフラクシナスの不思議技術を毎日のように体験している上条や士道、そもそも、これがどれだけすごいことなのか理解できてない十香たちの反応はキリトたちよりは薄かったが。
「……エネルギーはどうやって?」
PISを知る者なら誰もが「エネルギーの問題点」については知っている。ましてや、人の体を安定的に投影できるほどのエネルギーとなると、それはおそらく昨今のエネルギー問題を軽く解決できる代物となろう。少なくともキリトは、そんなエネルギーが発見されたなど聞いたことはない。
「キリトくんの世界じゃ、まだ無理だろうね…学園都市だから出来る芸当なんだよ」
回転チェアで体をキリトたちからテーブルに向け、パソコンを操作するキーナ。
「学園都市のAIM拡散力場については、簡単に説明したよね」
「能力者が無自覚に発してしまう微力な力のフィールド──でしたっけ」
その辺りに疑問を持っていたのはアスナやクラインたちも同じようで、気になってキリトとキーナの会話に参加してきたようだ。当の白衣の科学者はアスナに「正解!」と言いながら再びキリトたちに向き合い、説明を始める。
「例えば体温は炎系の能力者が、生体電気は電気系の能力者が、力なんかは身体強化系の能力者が…ってな感じでね。AIM拡散力場で1人、人間を作ることもできるわけよ」
これは事実だ。現に上条とインデックスは「彼女」と出会い、お互い友人として上条たちは「彼女」の、「彼女」は上条たちのピンチを救いあっている仲である。
「風斬氷華」という少女を脳裏に浮かべながら、上条とインデックスも特に聞く必要のない説明に聞き耳を立てていた。
「元から人間が核となってるし、後はパラメーターや装備なんかを身体に覆う殻のような形にして、武器を投影すればいいだけ。そうなればAIM拡散力場とそれなりのエネルギー結晶体を使えば、いくらでも作れるわけよん。人1人を作れるような力を持つ力場だし、質量を持った武器を作るなんてそう難しくないよ。難点といえば学園都市でしか安定して使えないことだけど、それを考慮しても使い勝手の良すぎるシステムだしね。なおかつAIM拡散力場の一部を借りてるだけだし、大元は微弱なエネルギー結晶体に依存しているからなんの影響もないって寸法」
「…………シドー、どういうことだ?」
「すまん十香。俺も何を言っているのかまったく分からん」
キリトも何を言っているか分からなかったし、おそらくこの中にキーナの説明を理解できたものは
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