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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
十三話 ーHERO流 ・エンタメデュエルー
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カードは別だよね?」
「なにっ!?」
姉ちゃんがデュエルディスクを操作し、表示させたのは発動済みのアクション魔法『奇跡』。
モンスター一体を選択し、そのモンスターは一度きり戦闘では破壊されず、戦闘ダメージを半減する効果。
「だが、おのれのフィールドにはモンスターはおらんだろう!?」
鬼龍院さんの言う通り。姉ちゃんのモンスターはおろかフィールドには、セットカードが一枚のみ。選択するモンスターなんてーー、モンスターなんて……
「まさかっ!?」
「そのまさかだよ。『奇跡』で選択するモンスターは何も私のフィールドだけじゃぁない。私はあんたの『伊奘凪』を対象に発動しただけ。」
常人の斜め上を行く発想にエンタメ決闘の第一人者、榊 遊勝の息子、遊矢さんですら驚いている。
やはり、姉ちゃんは凄いと改めて実感した。
だけど……
「ふん、1ターン寿命を延ばしたところでおのれのライフは残りたったの100。次の我のターンで必ず仕留めてみせよう。」
強気な発言をする鬼龍院さん。
ハッと何かに気がついた遊矢さんが立ち上がり、姉ちゃんに声を大にして叫ぶ。
「諦めるな、優希!スピリットモンスターはエンドフェイズに手札に戻る!」
そうか。
スピリットモンスターは強力な効果を持つ分、エンドフェイズ時に手札へと戻る効果がある。けどーー
「無駄だ、小童!我のフィールドに『伊奘凪』が存在する限り、スピリットモンスターのエンドフェイズ時に手札へと戻る効果は発言しなくてもよくなるのだァ!」
「くっ……そんな、これじゃ優希が!!」
悔しそうに歯噛みする遊矢さん。
そして、誰が見ても姉ちゃんの圧倒的不利な状況で
他のメンバーもLDSを打倒して見せた姉ちゃんがここで負けてしまうのか、と悔しさを露わにしている。
だけど、姉ちゃんは負けを覚悟する表情をするどころかーー
ーーニィと笑みを口角を吊り上げる。
「っ!?何を笑っている!」
「いや、こうも小悪党な役をしてくれて演出する手間が省けるな〜、と。」
まさか、ここまで追い詰められるのが姉ちゃんの演出とでもいうのか。
「くっ、残りライフ100のおのれにどこにそんな余裕があるというのだ!」
「逆だね。仕留めきれないで、よくそんな余裕のある態度を取れたものだね。
さて、もう長話はこれくらいにして、早くターンを進めてよ。」
「くっ……ターンエンドだ。やれるものなら、やってみよ!次のおのれのターンで決着をつけれるものならな!!」
「……当然!」
声に怒気を滲ませてそう叫ぶ鬼龍院さん。姉ちゃんの挑発が相当効いているのだろう。
そして、姉ちゃんはと言うと、深く目を瞑り、デッキトップへと指をかける。
「真の決闘者のデュエルは全て必然。
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