第六幕その十
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「けれど風の様に速く駆けることはね」
「木挽の馬とウージィだけでしょ、私の他は」
「そして小さいのは」
「貴女だけよ」
「そう、私だけしか出来ないことだからね」
「それで、っていうのね」
「それをしただけだから」
自分しか出来ないこと、それをしてみせたからというのです。
「当然のことなのよ」
「その当然のことをしたから」
「礼には及ばないわ」
そうだというのです。
「別にね」
「そうなのね」
「私だけしか出来ないことなら喜んでするわ」
これがこの猫の誇りなのです、猫にとってはそれを果たすこともまたそうなのです。
「そういうことよ」
「それじゃあ」
「あらためて行きましょう」
猫はベッツイ達に笑顔で言いました。
「クマセンターに」
「あらためて」
こうお話してでした、皆でなのでした。
クマセンターに向かって行きます、やがて森の中に入ってでした。
一行にです、ベッツイは言いました。
「もうすぐよ」
「そのクマセンターはですね」
「アン女王がおられる」
「そして熊さん達もいるわよ」
クマセンターだからというのです。
「そもそもあそこは熊さん達の場所だから」
「それで、ですね」
「そう、ぬいぐるみの熊が一杯いるわよ」
ベッツイは五人にクマセンターのことを説明します、そして。
ここでなのでした、ベッツイは猫にここでも尋ねました。
「それでだけれど」
「今度は何なの?」
「ええ、女王はお昼は」
「持ってきてるらしいわよ」
ちゃんとです。
「保存用のお肉やあちこちで手に入れた果物をね」
「そうなのね」
「パンもあるから」
「あちこちのお弁当の木から手に入れたのね」
「そう、食べるものには困っていないらしいわよ」
「今もなの?」
「私が来た時に丁渡お昼と食べていたわよ」
「あら、早いわね」
お昼御飯の時間にしてはというのです。
「貴女が最初にクマセンターに来た時にはまだ十時にもなっていなかったでしょ」
「そういえばそうだったわね」
「それでお昼は」
「じゃあおやつだったのかしら」
「そう思うわ、十時だとね」
お昼ではなく、というのです。
「そちらよ」
「そうよね」
「ただ、十時のおやつも食べられる位なら」
「食べるものに困っていないわね」
「お腹も空いていないわね」
「なら安心ね」
女王のお腹のこともというのです。
「よかったわ」
「そうよね」
「それじゃあ」
「このことは安心していいわね」
女王の食べることについてはというのです。
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