お高く留まる
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ため、集会場みたいなものになっている。
「一体どういうことだよ」
人混みの中から声が上がる。みんなを集める際、集める理由は話してある。
「あいつらを倒せるなんて…」
小ばかにしたような言葉が飛ぶ。その言葉にカチンときたハルコ姉が、そいつを殺しにかかりそうだったので、慌てて4人で止める。
「みんな、聞いてくれ」
ユウイチの声で会場が静まる。
「あそこに住んでるやつらの中にも、人間の心を持ってるやつはいるんだ」
再びざわつく。そりゃ突然そんなこと言われても、信じられるわけがない。
「それを証明しよう」
ユウイチがユウナを呼ぶ。ユウナの姿を見て、ざわつきは一層激しくなる。
ユウナは一礼すると、話を始めた。
「皆さん、私はあそこに住んでいました」
ユウナが指し示す方向、太陽光を反射するビルをみんなが見て、さらにざわつく。
「ですが私は自然欲しさにここに出てきました。ですがここにも自然はなかった…だから決めたんです、あそこを壊すって」
「あそこにいた証拠は!」
疑り深いなぁ…あ、人のこと言えた性質じゃないか。
「これです!」
そういってユウナがポケットから取り出したのは、紛れもない本物のお札だった。
「おー」
全体から声が上がる。もちろん僕達からもだ。
「皆さん協力してください!あそこを壊して、人間としての、いや、生き物としての世界を取り戻しましょう!」
静まり返る広場。
パチ、パチパチ、パチパチパチパチ…
広場中に拍手が広がる、もちろん僕らもスタンディングオベーションだ。
「皆さんっ!」
振り返ってそういうユウナの瞳は濡れていた。
壊滅は意外とあっさりだった。望んでいた人間が圧倒的に多く、一気に形勢は逆転した。
「懐かしいわね」
窓の外を眺める総理。
「全くですね」
僕は手帳を閉じた。
「ユウナ総理」
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