お高く留まる
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「何か見つかったー?」
僕は首を振る、どうやら今日も何もないらしい。高いゴミ山を見上げる。
夕日に照らされ、ペットボトルか何かが光っている。
眩しいなぁ…僕は目を細める。
「ん?」
見間違いだろうか、今ペットボトルが動いたような…
「気のせいか」
帰ろうと思い、ゴミ山に背を向ける。
ガサ、パラパラパラ…
え?
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドーン!振り向いた僕に何かがぶつかる。その勢いに負け、僕は思いっきり吹っ飛ばされる。ここ2,3日、まともなもの食べてなかったからな…
「大丈夫かー!」
ユウイチが駆け寄ってくるのが聞こえる。僕は頭を擦りながら、目を開ける。
徐々に焦点が合ってくる目。僕の目は、女の子を捉えた。
久しぶりだな、女の子とこんな体勢になったとのは、ユウリとヤった時以来だ。
「大丈夫?」
やっちまった、と言わんばかりの表情で女の子は僕に言う。僕は右手を挙げ、グッドサインを出した。
「という訳だ」
ユウナ、彼女はそう言う名前らしい。
「よろしくお願いします」
ユウナは丁寧に、深々と頭を下げる。
「まじかよ、さっきの話…」
ハルコ姉が、声を震わせながら言う。無理もない、僕やユウイチが聞いた時も、正直信じられなかった。
「はい、私はあの場所から来ました」
窓から見えるビルの光、ユウナは底を指さして言った。
「そんな馬鹿な、何でこんなところに」
おじさんは、信じられない、という表情でユウナを見る。
「私、嫌気がさしたんです」
ユウナは語り始めた。
「お金を稼ぐことだけを考えて生きていくの、どうしても私には合わないみたいなんです。自然の中、蝶やトンボを追いかけたり、芝生の上でお昼寝とかしたい。そう思って、私はあそこを抜け出したんです」
僕たちは顔を見合わせる。僕たちは知っている、ユウナが求めるような自然はないと、汚れきった、立ち入るのにも勇気がいるような自然しかないと。
「どうしたんですか?」
ユウナは全員の顔を見て回りながら言う。
「もうないのよ」
ユウリが口を開く。
「え?」
「そういう自然はもうどこにもないのよ…」
「え…」
当たり前のように訪れる沈黙、僕は何も言えない。
「そう…なんですね…」
落ち込んだようにユウナは言う。
「そうなんですねだぁ?!」
突然、ハルコ姉が声を荒げた。
「誰のせいでそうなったと思ってんだぁこら!!」
マズイ、早く止めなきゃ。僕たち3人は顔を見合わせ頷くと、3人がかりでハルコ姉を抑えにかかる。
「おめーらがどんどん開発進めて行って、自然がどーなろうとお構いなし、公害の教訓はごみ箱に捨て、その中で安全が保てればいいやという考えに至った、そんなお前らのせいだろ!なのによくそんな口きけるなぁ、なあ!」
「ハルコ姉、落
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