誓い-ラグドリアン-part1/空賊と王子の友情
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!平民…民たちは我々貴族に奉仕し、我ら貴族は彼らに法と秩序をもたらす者!故に我らは彼らに情けない姿をさらすことなど言語道断!
死を恐れて貴族を名乗れるはずがない!」
別の将軍がさも同然に言ったが、直後にウェールズからの切り替えしが出る。
「確かに臆病なだけの貴族に民はなびくことは無い。しかし、それはあくまで君の主観です。民から実際に聞いたわけでもない。
民たちが求める貴族の姿とは、果たして我々と同じものといえるのか?」
「何をおっしゃりたいのです、皇太子様」
「私はレコンキスタと我が軍の戦いが起きるようになってから、身分を隠した状態で城下に出向いた時があった。」
「自ら城下に出向いたのですか!?なんて無謀な…」
ウェールズからの衝撃の一言に周囲がざわつく。仮にも時期国王である彼が、わずかにも危険に及ぶことがあるかもしれない城下に自らで向いて万が一のことがある。そんなことになったらこの国の未来がなくなってしまうかもしれないから当然の反応だった。
「ちゃんと偽造した護衛をつけていたから心配ないよ。
その時、彼ら平民たちは我らに対する不満を漏らしていたよ。
『戦争のおかげで商売があがったりだ』。『戦争ならよそでやれ』。『命がいくつあっても足りない』。『お偉いさんはなにをしているのだ』…たくさんのね。中には反乱軍であるレコンキスタの誕生を阻止できなかった我ら王党派に対する不満もあった。
だから、わかったんだ。彼らは戦争よりも、そこで戦う、死をも恐れない誇り高い貴族の存在よりも…『明日』を求めているだけだったんだ。なんてことのない、自分たちの明日をね」
「平民共め…我らが命がけで戦っていることなど気にも留めていないのか!」
「今すぐ皇太子様のお耳を汚した平民を探れ!皇太子様のお心を汚すなど…」
戦争にかかわるくらいなら、どこか隅っこで平穏な暮らしを求める。たとえ隣国に対して恨みがあったとしても戦争なんて本気でしたがるものなどそうはいないだろう。
しかしここにいる王党派にとって、戦場で国のために戦い死ぬことは名誉なことだ。国の役に立ち、その命を国のために燃やすこと。それは確かに立派なことだが、たとえとある貴族を英雄視する平民がいるとしても、それは毎日を平穏に生きていたい平民たちにとって、『単なるかっこつけ行為』程度にしか受け止められていなかったのだ。認識はただの憧れ程度。特に……大きな『意味は無い』のだ。
「やめたまえ!罵りなど承知の上で行ったんだ。彼ら平民に罪はない」
それを悟った将軍の一人が激昂を露にしたが、ウェールズがすぐに差し止めた。
「この民たちの声を知ってから、僕はずっと考えていた。なんのために我ら貴族がいるのか。どうして命を捨ててまで戦わなければならないのか…それは単に、戦場で華々しく散ることだけが理由なのか…」
思
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