誓い-ラグドリアン-part1/空賊と王子の友情
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ってわけだ。他の誰の力も借りずに、てめえ自身の力だけでな。今更つべこべ言うなよ。お前さんは勝者なんだ。それに自分たちの力だけじゃどうにもならねえから、ここにきて俺たちとの盟を申し込んできたんだろ?」
グレンは額を押さえるウェールズに向けて、手を伸ばす。
「俺のことは、グレンと呼んでくれよ」
少し戸惑いながらも、結果として自分たちの望みが叶ったことを知ったウェールズは、伸ばされたグレンの手を握り返し、頷いて見せた。
「じゃあ、…僕のこともウェールズと呼んでくれ」
これが、空賊と王族の、これまでに見られなかった友情の始まりだった。
「そうだ、てめえはあんときも、自分の姿を一度隠しただけじゃねえ、俺の目をくらませて隙を突いた。だから実力じゃ何枚も上手だった俺に勝てた。
へへ…正直なめてたぜ。魔法がちょいと得意なだけの口先だけの貴族のボンボンだってな…」
一人語り続けるグレンを、ミラーナイトはある位置から観察していた。グレンの隙を突いて、一撃必殺の技を叩き込もうと息をまいていた。今だ!と彼は、くみ上げた両手をバッと広げ、これまでの幸甚と比べてさらに大きく鋭い、一発の十字型の光刃を放った。
〈シルバー・クロス!!〉
十字型の光刃は、まっすに三人の元に向かっていく。
「けどな…」
その時、グレンファイヤーが三人の中でいち早く、反射的に頭上を見上げた。そして右手を突き出したその途端、一発の燃え上がる火球を幸甚に向けて放った。
「〈ファイヤー・フラッシュ〉!!」
火球と光刃が互いにぶつかり合い、相殺された。驚くミラーナイトだが、ミラーナイトがシルバー・クロスを放つために鏡の中から上半身だけを出していたところを、グレンが見つけ、飛び掛って彼を掴み、そのまま引きずり出す。両手と胸ではさむようにして捉えた後、ミラーナイトを無理やりさかさまに吊るしだす。
「いっくぜ……〈グレンドライバー〉あああああああああああ!!!」
その姿勢のまま地上に叩きつけられたミラーナイトは一次ダウンする。
「ぐふぁ…!!」
今の一撃はこれまでのグレンの攻撃の中でも最も力と凄みがあった。背中を地面に打ち解けられながらも、再び立ち上がって目の前にいる敵に向けて構えを取るが、すでに両足がおぼつかなくなっていた。
「同じ手は、二度も通じねえ。油断さえしなけりゃな。にしても…まだやる気なのかよ?」
問いかけるグレンだが、ミラーナイトは何も言わない。無言で肯定したということか。だがすでに、グレンドライバーを受けたダメージも相まって彼は立つのもやっとな状態のはずだ。
「もうよせよ。確かにてめえは強くなったし、望みだった鏡の騎士の力を手に入れた。けどな…今みたいな力の使い方って、お前が目指していたやり方だったのか?」
首を横に振りながら、グレンはミラーナイトに
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