誓い-ラグドリアン-part1/空賊と王子の友情
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は……それだけは!!」
「無駄だ!今更、あんたのちゃちな魔法じゃ俺を倒せないぜ!」
グレンは、そして炎の空賊たちはすでに勝利を確信していた。グレンとウェールズに実力の差があるのは一目瞭然だった。それでもウェールズは諦めなかった。
次の瞬間、ウェールズは杖を振るった。また魔法が自分の方に飛んでくるとばかり思っていた。予想通り、ウェールズが杖を振るったことで大きな風が巻き起こる。だが、グレンにとってそれは取るに足らないものだった。確かになかなかに強い風だったが、自分を倒すだけの威力などない。しかし、直後に意外なものを目にした。
「!!」
風の中に、何かが混じっている?冷たい何かが混じっている。まさか…!
グレンが表情を一変させると、ウェールズが杖を頭上に掲げたままグレンを見る。
「君に殴られていると、やけに殴られた箇所が熱くなっていた。黒く染まるほどにね。おかしいと思っていた。まるで炎のメイジの魔法を受けたかのようだった。まして魔法が使えない平民のわざとも思えないし、かのエルフが使う先住魔法とも違って詠唱してもいない。だから敢えてしばらく殴られ続けたんだ。そうしたら、その理由がなんとなくわかった」
「てめえ…」
「君の正体は、あの炎の巨人…そうだろ?」
グレンや、そして炎の空賊たちはウェールズに対して目を見開いた。
「原理はわからないが、だから魔法とは関係無しに炎を操ることができる。だが炎そのものだとわかれば、君の弱点は必然的に水だ。でも単に水を浴びせたところで、おそらく蒸発させられる。だから、僕の風の中に…魔法で作り出した水を混ぜらせておいた。僕はトライアングルクラスだ。一応風のほかにも二つ使える系統がある」
このたった一度の戦闘だけで、グレンの正体を、弱点も含めて見切ったほどの洞察眼にガル船長や他のクルーたちは驚きを見せる。
「なるほどな…水を含めた風をありったけ俺に浴びせ、俺の体を弱らせる…それがあんたの狙いってわけか。けどな、あんたの精神力じゃ無理があるんじゃねえのか?」
「…」
ウェールズは無言だった。確かに、グレンの正体が炎の用心棒グレンファイヤーであること、弱点を幹わけはことはいいが、グレンの言うとおりだ。自分の精神力は、グレンの炎を鎮火できるほどの量ではない。だが、それでもウェールズはこの手を緩めなかった。さらに風とその中に含んだ水を放った。
(さすがに、トライアングルクラスの王族二人でやっと発動できるヘキサゴンスペルの本来の威力には届かないか…!でも!)
やらなければならないことを成すためには、『この手』を使うこちに一々躊躇いなんて持つべきではない。ウェールズは、杖を振るって水を含ませた竜巻をグレンに向けてぶつけた。
風の中に取り込まれたグレン。風は思いのほか激しく、グレンが苦手とする水が彼の全身を濡らす。視
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