誓い-ラグドリアン-part1/空賊と王子の友情
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3,4…10発。風の刃が切り裂きに掛かってきた。
奴は自ら動こうともしない。勝った、貴族たちははっきり思った。しかし、それは確信などではなく、ただの盲目であることを知ることになる。このままあの男の体を切りつけるとばかり思っていた光景は、グレンの次にとった行動によって幻と化した。
ゼロの肘打ち、わき腹への蹴りの二段コンボがガルベロスにヒットする。顔を焼かれたせいか、逆に今度は自分が激痛にさいなまれているガルベロスは対処しきれずモロに受けてしまい、逆上してやけになったのか、単調な突進でゼロに攻撃を仕掛けるが、あっさりと頭上に飛び越えられる形で避けられてしまい、逆にゼロが頭上でバク転しながら手刀をガルベロスに叩き込んだ。
ゼロの着地と同時にガルベロスは一次ダウンするが、すぐに持ち直そうと立ち上がるが、すかさずゼロが襲い掛かる。真ん中の頭を左手でガシッとつかみ、脳天に再びチョップ、次ニーキック、さらに今度は回転を加えた飛び蹴りでガルベロスを蹴り飛ばした。
もうガルベロスはグロッキー状態だ。今度こそ止めを刺す!
ゼロは頭に装備していたゼロスラッガーを二本とも手に取り、ガンダールヴのルーンを発動、ガルベロスに向かって駆け出す。
もう奴の目から怪しい光…催眠波動は放たれていない。グレンが今ミラーナイトの、ネクサスがメフィストの相手をしているので、もう恐れるものなどない。
〈ゼロスラッガーアタック!〉
「ダアアァァァーーーーーッ!!!」
ガルベロスとすれ違いざまに、ゼロの二段斬りが炸裂した。ゼロの攻撃を受けて一次動きを止めたガルベロスだが、すぐにゼロのほうを振り向く。その右腕から生えた鋭い爪で背後からゼロを切り裂こうとしている。
しかしゼロは振り向くことは無かった。頭にゼロスラッガーを戻したと同時に、ガルベロスはその爪をゼロに当てることが叶わず、そのまま倒れ、二度と動くことは無かった。
「〈ミラーナイフ〉…」
ミラーナイトの手から、3,4…10発近くもの光刃が飛んでくる。飛んできた光刃に対して、グレンは避けることはしなかった。初めてウェールズと相対したあの時と同じように、彼は右手を前に突き出した。
(あの時は…こうして防いだんだっけか!)
突き出された右手の先に、炎が点り細長く伸び、一本の黒い如意棒となる。
炎の如意棒〈ファイヤースティック〉。グレンファイヤーの得物である。それを風車のように振り回し、ミラーナイフを全て弾き飛ばした。
「こうやってお前の風魔法を跳ね返したあんときのお前の部下の驚き顔は、そりゃ見ものだったよな。魔法が絶対なんて馬鹿げた考えが覆った瞬間だったしな」
少しばかりお調子に乗ったような言い回しをするグレンだが、決して油断はしていない。何せ相手が相手なのだ。あの…『ウェールズ』なのだから。
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