誓い-ラグドリアン-part1/空賊と王子の友情
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らは貴族派に相対する力を全て失うことになる」
「貴様、我ら王党派があのような賊軍ごときに遅れをとるというのか!確かに先の戦では不覚を取られたが…」
「事実だ!我々の魔法は、スクウェアクラスのメイジを数十人用意したところで怪獣の一体も殲滅することもままならないのだぞ。それに初めて怪獣が現れたあの戦、わが国に絶対的忠誠を誓っていたあのグランツ様が離反した理由さえもつかめていない」
「仮に炎の空賊たちが敵だとして、なぜ一思いに我らを殲滅しない?その気になれば…」
「うかつなことを申すな。この会談には、国王陛下と皇太子様もおられるのだぞ!」
会議は泥沼に差し掛かっていた。危険で信用にかけるため、始末するべき。または、彼らの力を借りて反撃に転じるか。ただでさえこの国が貴族派=レコンキスタと自分たち王党派の二派に分かれての内乱で混乱しているというのに、さらにここで二派に分かれたら、それこそレコンキスタの思う壺だ。
ウェールズは、思い切って決断を下した。
「…彼らと、会って話をしよう」
その言葉に、空賊始末意見を出していた貴族たちからの反発が起こる。
「皇太子!あのような賊どもを信用するというのですか!?」
「将軍、考えてみて欲しい。我が軍のみの戦力で彼らに勝てる見込みがあるのか?」
「確かに、悔しいですが絶望的でしょう。ならば軍人らしく奴らに一矢報いた後、戦場で華々しく散って後の歴史の名を残して見せましょう」
賊の力を借りるなどもってのほかだと豪言する将軍。しかしハルケギニアの貴族とはそういう人間が大半を占めていた。自分たちにとって恥になるようなことをするくらいなら、自分の加盟を汚すくらいなら輝かしい死を求める。
「そうだね。華々しく散るというのも一つの選択。本来我らが取るべきものかもしれない。だが、将軍。思い出してくれ。この言い方は少々乱暴かもしれないが、我々は…『かっこつけるため』だけに戦っているのか?」
「な…!」
その一言に、反対派の将軍たちが絶句した。かっこつけ…ただその一言の言い回し、まるで自分たち貴族の理想的な姿、命よりも名を惜しみ誇りある貴族としての姿を…貴族たちの模範であるべき皇太子自らが否定したような言い方だった。
「かっこつけとは何事か!!いくら殿下であろうと、そのような罵りは…!」
「やめろ!皇太子様に向かってそのようなことを…!」
けなされたと思った将軍の一人がウェールズに向けて怒りを露にするが、隣に座っていた貴族の一人が、彼に注意を入れ、ウェールズに問いを投げかける。
「殿下、教えてください。なぜそのようなことを…」
「私は、国と民のためにレコンキスタと戦っている。だが、我々が華々しい死を遂げたところで、国は救えるのか?我々はそれで満足したとしても、それで民たちは満足し切れるのか?」
「それは当然です
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